山田オリーブ園 国内で初めてオリーブの有機栽培に成功しました。

オリーブ畑にマルチを使ってみた結果-オリーブ栽培実験

(2010.10.22記事)
有機栽培でオリーブを育てる農家にとっての仕事の9割は草抜きと虫捕りである。
 
畑一面に次々と生えてくる雑草を春夏秋と抜き続ける。
 
オリーブの根元は手で抜き、周辺は草刈り機で刈り、まっすぐな畝間は耕運機を使ったり色々するが、要は草を抜いたり刈ったりし続ける。
 
たまたま先日、テレビ番組で桃の栽培農家が、この銀マルチを使い桃に光を当てて赤く染めていたのを見た。
 
それから、ボチボチ調べていたが、使って意味があるのかどうかいまひとつ分からなかった。
 
なので、ダメ元で試してみることに。
 
マルチという農業資材は、通常、野菜などの根を覆い地温を安定させたり、有機資材を撒いた上にかけることで発酵させるために使うのが一般的とされている。
 
 
オリーブ畑で使って効果が期待できることは3つ。
  1. 畝の間の雑草を抑制する。
  2. 銀色は虫が嫌うらしい。防虫の効果。
  3. オリーブは光が大好き。照り返しで光の総量を上げて成長を促進したい。

 
これらの効果が現れるのかということが知りたい。

 
そして、実際の使い勝手が知りたい。主に3つ。

  1. 風への耐性
  2. 雨への耐性
  3. 踏まれることへの耐性

 
なんにせよ、頭で考えるよりも、やってみると、いろんなことが分かるはず。

 
秋、妙見さんの北の畑にマルチを試してみる。

オリーブ畑   

 
銀黒マルチを畝の間に敷いてみる。残りは明日。

オリーブ畑にマルチを張ってみる   

散歩中のおじさんに「なんじゃ そりゃ 歩きやすそうな道やの」と言われる。

 
 
(2011.4.7記事) 
半年後の春。

 
昨年の秋に、上の畑に敷いた銀色のマルチシートを撤収することにした。

オリーブ畑にマルチ    

 

草刈りの手間を少しでも省きたいというのが主目的で、マルチシートを畝の間に敷いたが、敷いてない部分の草を刈るときに、半分ずつ刈払機の刃に当たらないように、ずらさないといけない。

 
が、その作業が結構、重労働。

 
風で飛ばないように置いてある石と鉄棒を腰を曲げて、どけては戻しが、しんどくて草刈りがメンドクサクなってしまう。

 
どけては戻しの労働力より、耕運機を掛けた方が早い。

 
ということでオリーブ畑でマルチシートを使う場合は、畑全面を覆ってしまわないといけないということが身を持って分かった。

 
根元の盛り土が高いこともあり、全面を覆うことは難しいし、防虫や成長促進などの効果も見込めそうにないので、一旦マルチは失敗として撤退。

 
 
(2013.1.30記事)

更に1年半後の冬。

 
数年前にビニールマルチで樹間を覆ったことがあった。

 
主に雑草の抑制が目的だったが、半年くらい使ってみて、結構管理に手間が掛かるのと木の成長に影響が出始めたので早々に止めてしまった。

 
しかし、それ以来、ポリやビニール等の石油製品で作られたマルチ(畑の地表を覆うシート)がオリーブに与える影響が気になっている。

 
僕がマルチを試した3年ほど前から、ずっとマルチを使っている人様の畑が何ヶ所かあるので、たまに眺めに行くのだが、ほぼ分かってきたことがある。

 
人様の畑なので写真は掲載できないが、マルチを使うと木の成長が著しく阻害される、ということ。

 
樹高1メートルほどの3年生の木を植えて3年間経つと、マルチを使っていない普通の畑では、3メートルから4メートルくらいの成木になるのだが、マルチを使っている畑は、1メートルから2メートル程度で成長が止まっている。

 
傾向としては、枝の広がりが、マルチの穴が開いたところで、ほぼストップしているように見える。

 
つまり、根がマルチの下まで伸びていくことができていないと推測される。

 
ポリ製のマルチといっても繊維を編んだものなので若干は水も空気も通すのだが、土は死んでいるように見えるといったら言い過ぎだろうか。

 
雨が降った後は、べたべたになるし、乾燥しているときはカピカピなのである。

 
このあたりは想像なのだが、ポリマルチは土の呼吸を止めてしまい、土の中にいる菌類や微生物、小さな昆虫類を極端に減らしてしまっているのではないだろうか。

 
ただし、農薬や除草剤を多用すると同様に土中の生き物たちを殺してしまうが、マルチを使ったときのように木の成長が止まるということはない。

 
なので、微生物の量だけが主たる理由ではなく、水分や温度、空気、光などの要素と合わせて考えていく必要があると思う。

 
有機栽培では結構、使われている農業資材だが、このマルチという方法は問題があるし、その問題が何かを考えていくことに、オリーブ栽培の大きなヒントが隠れているような気がしてならない。 というこを考えた日でした。

 
 
 
(2018.9.2記事)

マルチを植えてから8年後の秋。

 
マルチの失敗から8年。あの後、雑草を抑えるためにカバープランツのテストを始める。10種類以上の芝やシロツメクサなど雑草を抑えることで草刈りの作業を軽減しようというアイデア。

 
あの妙見さんの北の畑はこうなる。

オリーブ畑

 
しかし、この芝で覆われた一見美しいオリーブ畑にも問題が起こってくる。

 
そして2018年の妙見さんの畑はこうなっている。

小豆島 有機オリーブ畑

 
芝は取ってしまい、もともと小豆島に勝手に生えていた雑草をそのまま生やしている。

 

マルチの頃、雑草と呼んでいた草花が8年後には大切な宝となった。この草生栽培のことと、そこに至るカバープランツのことは別に書きたい。

 

 

“オリーブ畑にマルチを使ってみた結果-オリーブ栽培実験” への2件のフィードバック

  1. 初めまして。
    反射マルチの効果について調べてましたが、オリーブには良くない影響があるようですね。当方関東地方在住で日照時間をカバーするためオリーブにマルチを使うのはどうか?と考えてみましたが…
    土壌中の酸素が足りなくなってしまうんですかね
    ベストな方法を探してる所でした。
    貴重な情報、ありがとうございます。

    • はじめまして。
      小豆島では雑草の抑制を目的に試験的にマルチカバーを使っている農家さんたちがいましたが、ほぼ全て生育不良を起こし最近ではほとんど見かけることがなくなりました。ただし、オリーブにとっては降雨量が多すぎる日本の気象環境でマルチを効果的に使う方法があるかもしれません。まだ、良い方法が見つかっていませんが、何らかの可能性はあると思っています。

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