山田オリーブ園 国内で初めてオリーブの有機栽培に成功しました。

家庭でオリーブの実を美味しく食べる12の方法

小豆島のオリーブ農家が試行錯誤した家庭で育てたオリーブの実を美味しく食べる12の方法。

 
オリーブの実に含まれる渋みを含めた本来の風味を残しつつ、食べやすいオリーブの実を求めて沢山の失敗をしてきました。その中で比較的うまくいった方法を紹介しています。重曹、塩、水、ワイン、日本酒、炒める、干す、搾るなどの12の方法でお庭のオリーブの実を今年は美味しく食べてやってください。

 
 

目次

 

 

【実を食べる方法】

1)重曹で渋を抜く

難易度★★★★ 手間は掛かるけどフレッシュなサラダ感覚のオリーブの風味を楽しめる方法。

 

2)塩で渋を抜く

難易度★    塩をまぶして置いておくだけの最も簡単な方法。塩や実の品種の組み合わせなどにこだわると楽しい。

 

3)水で渋を抜く

難易度★★★★★2カ月ほど毎日、水を替えて徐々に渋を抜く方法です。一番難易度高いかもです。大変です。

 

4)塩水で渋を抜く

難易度★★   7カ月ほど塩水に浸すだけの簡単な方法です。

 

5)ワインで渋を抜く

難易度★★   1年ほどアルコール類に漬けるだけでオリーブの香りがするお菓子になります。

 

6)日本酒で渋を抜く

難易度★    日本酒の麹菌によって半月程で渋が抜けます。オリーブの養分が移ったポリフェノールたっぷりのオリーブ酒が半月くらいでできます。

 

7)干して渋を抜く

難易度★★★  塩で水分を抜いた後、日陰干しするだけ。オリーブ特有の油の旨みが感じられる素朴な味を楽しめます。

 

8)焼いて渋を抜く

難易度★    完熟したブラックオリーブを塩で炒めるだけのイタリアの田舎料理。オリーブ特有の渋みも楽しむ。

 

9)乾かしで渋を抜く

難易度★★★  乾燥機で低温乾燥させて、オリーブの旨味を閉じ込めます。

 

10)熟させて渋を抜く

難易度☆    何もしません。真っ黒に完熟した実をそのままにして真冬に採って食べます。オリーブの仄かな甘みが感じられます。

 

11)苛性ソーダで渋を抜く

難易度★★★  国内のほぼ全てのオリーブの塩漬けはこの方法で作られている。薬剤の取り扱いに注意が必要。

 

【オイルにする方法】

12)オリーブオイルを手搾りする

難易度★★★★★成功するコツは完熟した実を使うことと油分率が高い品種を使うこと。それと搾れると信じ続ける気持ち。

 

 

オリーブの実の渋みをなくして美味しく食べる方法はないか?

有機オリーブの実 
 
1.生のオリーブの実は渋くて食べられない

秋になると、黄色や赤に色づいて、見るからに美味しそうなオリーブの実。その実を初めて齧ったとき、あまりの渋さに体が震えました。吐き出しても、その渋みが口の中に残り1時間くらいは唾がとまらない。スーパーに売っているオリーブオイルや塩漬けは渋くないのに生のオリーブってこんなに渋いんだという驚き。その最初の体験は今から20年以上前、妻の実家がある小豆島でのことです。その後色々あって、僕は小豆島でオリーブ農家になります。

 

 
2.オリーブの渋みは実を虫や鳥たちから守るためのポリフェノール

美味しい食べ物だったオリーブが仕事になった訳ですが、そうなるとどこかの誰かがうまい具合に渋を抜いていたオリーブの渋が大問題になりました。そもそも何でオリーブの実は渋いのかということを調べてみました。

 

この渋みは虫や鳥、動物から身を守るために木が作り出すもので、そのお陰でオリーブは比較的、害虫による被害が少ないと言われています。この渋みの成分はポリフェノールの一種でオレウロペインやオレオカンタールという成分。人間の体にとっては抗酸化作用など有用な成分ですがオリーブの実をそのまま食べることを難しくしています。ですので、渋抜きと言っても完全に渋を抜いてしまうと体に良い成分は減ってしまう、ということは理解した上でどの程度渋を抜くかということ。渋みゼロはポリフェノールが少ないとも言えます。

 
さて、ではオリーブの実を美味しく食べる方法について国内外の方法を調べたり、自分で色々試したりしてきましたので、そのうちの12の方法を紹介します。もし、これ以外の方法でオリーブを美味しく食べられる方法をご存知の方がいらしゃったら、ぜひコメント欄でお知らせください。日本で育ったオリーブの実を美味しくいただく13番目の方法として追加させていただきます。
 
 
 

3.実のまま食べるかオイルにするか?

さて、渋いオリーブの実を食べる代表的な方法には大きく分けて2つあります。

 
オリーブの実のまま食べるか?オイルにするか?

国産有機オリーブオイル 
 
オリーブ栽培を職業にしている小豆島のプロの農家は、搾油機でオリーブを搾り、苛性ソーダで渋を抜いた実を塩漬けに加工します。ちなみに搾油機は日本での製造がなく、海外の機械を商社が輸入しており、イタリア製の小さいものでも数百万円します。

 
また、国内で製造されるオリーブの塩水漬けの大部分は渋抜きのために苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使っています。苛性ソーダは、薬局でしか購入できない強アルカリの薬剤で、その取り扱いは難しく、どのご家庭でも気軽に扱えるものではありません。また苛性ソーダを使うことで体に良い成分であるポリフェノール類のほとんどが失われていると言われています。ですので、ここでは一般の家庭でもできる方法を紹介し、プラスして苛性ソーダで渋を抜く方法も参考までに紹介します。

オリーブオイル 搾油機
イタリア製 家庭用搾油機 搾油スピード 50kg/1時間

 

オリーブ農家になりたての頃、自分でオリーブの実を搾りオイルを作る方法はないだろうかと、だいぶ色々探しました。しかし、結論から言うとそういう便利な機械はありませんでした。オリーブオイルも搾れるという手回し式の搾油機というのもありましたがうまくいきませんでした。ジブロックを使った地道な手搾りという方法というものがあります。搾油率が低くて酸度も上がってしまうので、商品としてのオリーブオイルは作ることはできませんが、家庭で気軽にオイルを搾ること自体を楽しむという主旨であれば、やってみる価値はあると思い、最後にやり方を紹介しました。

 

 
 

家庭でオリーブを食べる12の方法

1.失敗の連続の果てに見つけた12の方法 

オリーブの実に含まれる渋みを含めた本来の風味を残しつつ、食べやすいオリーブの実を求めて沢山の失敗をしてきました。その中で比較的うまくいった方法を紹介しています。ここでは紹介していませんが、乳酸菌によって渋を抜くヨーグルト漬けや納豆菌による納豆漬けなどでも、あまり美味しくはありませんが渋は抜けます。

  
また、酢、石灰、炭酸水、草木灰、水煮、冷凍、土埋めなど、渋が抜けなかったり腐ったり、とても不味かったりという沢山の失敗をしました。失敗体験談も別の機会に紹介したいと思いますが、今回は成功したものから。

 

 

2.渋が抜ける基本的なメカニズム

基本的には5つの方法論を見つけました。酸性の渋みをアルカリで中和させる、腐らない状態にして時間を掛けて徐々に抜く、食用できる菌によって発酵させる、乾かす、焼くです。渋を単純に抜くだけでしたら、もっとありましたが、日本人の口に合いそうにないような方法は今回の12の方法からは抜いています。

①酸性のポリフェノールをアルカリで抜く → 重曹・苛性ソーダ

②腐らないようにしながら時間を掛けて抜く → 塩・水・アルコール・・砂糖類・完熟させる

③発酵させて抜く → 日本酒・味噌・ヨーグルト・納豆

④乾燥させて抜く → 日陰干し・乾燥機

⑤熱で抜く → 炒める

 
 
3.渋を抜けやすくするコツ

どの方法にしても、より早く渋を抜く2つのコツがあります。

  1. 熟れる前の緑の実ではなく熟した黒い実は、そもそも渋みが少なくなっているので早く渋が抜けます。
  2. 前処理として種を抜きます。オリーブの果実は果皮に守られているので、そのままだと果実に渋を抜く成分がなかなか届きません。早く渋を抜きたい場合は種抜きの前処理が近道です。

 
 
 

1)重曹水で渋抜き

難易度★★★★

手間は掛かるけどフレッシュなサラダ感覚のオリーブの風味を楽しめる方法。

[準備するもの]
  • オリーブの生の実
  • 食用の重曹
  • オリーブの種抜き器
  • ガラス瓶

 

[作り方]
  1. ガラス瓶に水を入れます。
  2. グリーンオリーブの種を抜きます。
  3. 種を抜いた実をそのままガラス瓶の水の中に落とします。(空気に触れる時間を少しでも短くするため)
  4. 3%の重曹水になるように重曹を混ぜます。
  5. 1日1回重曹水を取り替えます。(実は外に出さずホースで水を入れ真水にしてから重曹を入れます)
  6. 気温やオリーブの熟度によって前後しますが概ね10日前後で渋が抜けます。
  7. 好みの渋の濃さになったら1%の塩水に漬けます。
  8. 1日に1%ずつ濃い塩水に取り替えます。
  9. 好みの濃度の塩水になったら完成です。山田オリーブ園で販売している塩漬けは4%の塩水にしています。
  10. 塩分濃度が低いと早く痛みます。冷蔵庫に保管し2カ月以内に食べます。

 

[工夫]
  1. オリーブの実は空気に触れる時間が長いほど秒単位で緑色から茶色に変色します。緑色の塩漬けを作るためには空気に触れないように作ることがポイントです。ただし、茶色でも緑色でも風味は変わりません。
  2. 水替えのタイミングで瓶の中の実を攪拌することで渋抜けのムラを少なくできます。
  3. 種を抜かず傷をつけた実でもできます。渋が抜けるまで半月くらい掛かりますが、旨みと歯ごたえは種ナシより少し上です。傷をつけるのはセラミック製の包丁のほうが切り口が変色しにくいです。
  4. 皮の色は若干悪くなりますが、重曹水に漬ける前に、100℃の熱湯をくぐらせるブランチングをすると傷口の変色を更に防ぐことができます。
  5. オリーブの皮が気になる場合は食べる前に熱を加えると柔らかくなります。料理などで熱を通すとほとんど気になりません。

 

[販売]

 山田オリーブ園では重曹水で丁寧に渋抜きした塩漬けの製造、販売をしています。 

 小豆島産有機オリーブ塩漬け(販売ページへ)

 

 

 

 

2)塩で渋を抜く

難易度

塩をまぶして置いておくだけの最も簡単な方法。塩や実の品種の組み合わせなどにこだわると楽しい。

オリーブの塩漬け

[準備するもの]
  1. オリーブの生の実(完熟したブラックがベスト)
  2. オリーブの種抜き器  
  3. ガラス瓶

 

[作り方]
  1. ブラックオリーブの種を抜きます。(種を抜いた方が早く渋は抜けますが抜かなくてもOK)
  2. 実の重量の1~2割程度の塩と実をガラス瓶に入れてざっと攪拌します。
  3. 暗所に保管します。
  4. 気温やオリーブの熟度によって前後しますが概ね3ヵ月前後で渋が抜けます。

 

[食べるときの工夫]
  1. 塩味が効いた食材として、そのまま料理に入れて使えます。
  2. フードプロセッサーにかけてオリーブペーストにしてから料理に使うこともできます。
  3. そのまま食べる場合は塩抜きをしてください。真水ではなく薄い塩水に漬けると塩気が抜けやすくなります。塩水に漬けて冷蔵庫に入れておくと3日~1週間程度でほどよく塩が抜けます。
  4. 岩塩や海塩など塩にもこだわる多彩な塩漬けが楽しめます。

 

 

 

 

3)水で渋を抜く

難易度★★★★★

2カ月ほど毎日、水を替えて徐々に渋を抜く方法です。一番難易度高いかもです。大変です。

オリーブの渋抜き

[準備するもの]
  1. オリーブの生の実
  2. 水(水道水)
  3. オリーブの種抜き器  
  4. ガラス瓶もしくはバケツと落とし蓋

 

[作り方]
  1. 実はグリーンでもブラックでもOK。ブラックの方が早く渋は抜けます。
  2. 種を抜きます。種を抜いた方が早く渋は抜けますが抜かなくてもOK。
  3. 空気に触れないように実を水に浸します。気温にもよりますが1日~2日に1度は水替えします。
  4. 空気に触れたり、気温が高かったり、水替えを忘れるとカビます。
  5. 冬に作り、室内ではなく日が当たらない外に置いておきます。
  6. 渋が抜けるまでは最低でも1カ月ほど掛かります。渋が抜けたら塩水に入れて冷蔵庫で保管してください。

 
※ちょっと水替えを忘れたり、雑菌が入ったり、気温が上がったりすると実にカビが発生し腐敗が始まります。

※塩素が入っているせいかどうかは分かりませんが水道水の方が成功率が高い気がします。

 

[食べるときの工夫]
  1. ハーブなどを入れて色々な風味をお試しください。
  2. 岩塩や海塩など塩にもこだわる多彩な塩漬けが楽しめます。

 

 

 

 

4)塩水で渋を抜く

難易度★★

7カ月ほど塩水に浸すだけの簡単な方法です。

オリーブの塩水漬け

[準備するもの]
  1. オリーブの生の実
  2. 塩水(塩分7~10%)
  3. オリーブの種抜き器  
  4. ガラス瓶もしくはバケツと落とし蓋

 

※シンプルな方法ですのでオリーブの品種によって風味が全く違います。

 

[作り方]
  1. 実はグリーンでもブラックでもOK。ブラックの方が早く渋は抜けます。
  2. 種を抜きます。種を抜いた方が早く渋は抜けますが抜かなくてもOK。
  3. 空気に触れないように実を7~10%程度の塩水に浸します。冷暗所に保管します。
  4. 空気に触れたり、気温が高かったりするとカビますので、たまにチェックすることをおすすめします。
  5. 渋が抜けるまでは7カ月~1年ほど掛かります。
  6. 渋が抜けたら薄めの塩水に入れて塩抜きをしたら食べれます。冷蔵庫で保管してください。

 

[食べるときの工夫]
  1. 塩味が効いた食材として、そのまま料理に入れて使えます。
  2. そのまま食べる場合は塩抜きをしてください。真水ではなく薄い塩水に漬けると塩気が抜けやすくなります。塩水に漬けて冷蔵庫に入れておくと3日~1週間程度でほどよく塩が抜けます。
  3. 岩塩や海塩など塩にもこだわる多彩な塩漬けが楽しめます。

 

 

 

 

5)ワインで渋を抜く

難易度★★

1年ほどアルコール類に漬けるだけでオリーブの香りがするお菓子になります。

オリーブのワイン漬け

[準備するもの]
  1. ブラックオリーブの生の実
  2. 赤ワインを使ったものを紹介します。
  3. オリーブの種抜き器  
  4. ガラス瓶もしくはバケツと落とし蓋

 

[作り方]
  1. 実はブラックの方がまろやかで美味しいです。
  2. 種を抜きます。
  3. 空気に触れないように実を赤ワインにに浸して冷暗所に保管します。
  4. 空気に触れた部分はカビが発生するので、実が赤ワインで全部漬かるように、うちではコーヒーフィルターの濾紙で押さえています。
  5. 渋が抜けるまでは最短でも半年~1年ほど掛かります。

 

※赤ワインの代わりに白ワイン、ホワイトリカー、ブランデー、焼酎やウオッカなども試しましたが、それぞれのお酒の風味を楽しめました。お好きなお酒でチャレンジしてみてください。

 

[食べるときの工夫]
  1. 赤ワインを捨てて代わりにメープルシロップやハチミツに漬けると美味しいです。
  2. お菓子の材料やアイスクリームやヨーグルトに乗せて食べています。

 

[販売]

 山田オリーブ園では赤ワインやブランデーで渋抜きしたシロップ漬けの製造、販売をしています。 

 小豆島産有機オリーブのブランデー漬け(販売ページへ)

 

 

6)日本酒で渋を抜く

難易度

日本酒の麹菌によって半月程で渋が抜けます。オリーブの養分が移ったポリフェノールたっぷりのオリーブ酒が半月くらいでできます。

オリーブの実 日本酒漬け

[準備するもの]
  1. ブラックオリーブの生の実
  2. 日本酒
  3. ガラス瓶

 

[作り方]
  1. 実は赤い色素が多く出るブラックの方が綺麗です。
  2. 実のポリフェノールが移った日本酒を飲むので実の種は抜かなくてもOK。
  3. ブラックオリーブを日本酒でひたしたら満たすだけです。
  4. 1週間くらいで日本酒が鮮やかな赤色に染まり始めます。
  5. 2週間もすればお酒にオリーブの風味が移っているので、そのお酒が飲めます。

 

[食べるときの工夫]
  1. 冷でも燗でも美味しいです。
  2. 私は風邪のときに飲みます。効いている気がしますが実際は分かりません。
  3. 実は風味が抜けて、特に美味しくないです。

 

※同じ麹菌の味噌でも渋は抜けます。種を抜いた実を味噌漬けにして タッパーに入れておくと2週間ほどで渋が抜けています。奈良漬のような不思議な味と歯ごたえのジャパニーズオリーブができます。

 
 

 

 

7)干して渋を抜く

難易度★★★

塩で水分を抜いた後、日陰干しするだけ。オリーブ特有の油の旨みが感じられる素朴な味を楽しめます。

 

干しオリーブ

[準備するもの]
  1. ブラックオリーブの生の実
  2. 麻袋
  3. ザル

 

[作り方]
  1. 皮に傷を付ける。(包丁でぐるりと一周切るかフォークなどで10箇所くらい穴を開ける)
  2. たっぷりの塩と一緒に麻袋に入れる。(麻袋の代わりに粗めの布に入れて口を紐で縛ってもいい)
  3. 雨が掛からず風通しがいい場所に吊るす。下に水が垂れるのでバケツなどを置く。
  4. 1週間~10日ほど待つ。渋が抜けていればOK。
  5. 塩をざっと軽く洗い流しザルに広げて日陰で干す。
  6. 天日干しにする場合は半日程度でOK。長く干しすぎると香ばしくなりすぎる。
  7. 好みの硬さまで干す。短ければ半生、長く干すとからから干し。
  8. 半生の場合は冷蔵庫で保管し早めに食べないとカビます。からから干しだと常温で半年くらい保ちます。

 

[食べるときの工夫]
  1. 酒の肴です。
  2. うちでは夏にビールのつまみとして食べています。

 
 

 

 

8)焼いて渋を抜く

難易度

完熟したブラックオリーブを塩で炒めるだけのイタリアの田舎料理。オリーブ特有の渋みも楽しむ。

焼きオリーブ

[準備するもの]
  1. ブラックオリーブの生の実
  2. フライパン

 

[作り方]
  1. フライパンで生の実を炒めて、ぱっと塩を振りかければ出来上がり。
  2. 基本的には熱を通しても渋みは抜けません。12月頃の完熟して渋みが減ったブラックオリーブを使うことで、ほのかな渋みとオリーブの旨味を一緒に楽しみます。
  3. 渋みは収穫する時期による熟れ具合と品種に左右されます。うちでは12月に収穫し損ねたルッカを使うか、黒くなったハーディズ・マンモスを使います。ハーディズはもともと渋みが少なく実が大きい品種なので、実を食べるのに、適しています。

 

[食べるときの工夫]
  1. 酒の肴です。
  2. 収穫の山場が終わった12月に日本酒の肴として楽しみます。

 

 

 

 

9)乾かしで渋を抜く

難易度★★★

乾燥機で低温乾燥させて、オリーブの旨味を閉じ込めます。

乾燥オリーブ

[準備するもの]
  1. オリーブの生の実
  2. 種抜き器
  3. 食品用の乾燥機

 

[作り方]
  1. 種抜き器で種を抜きます。(種ありのままだと時間が掛かりすぎるでおすすめできません)
  2. 乾燥機で40度以下の低温乾燥がおすすめです。30時間くらいで、ほぼ渋が抜けます。
  3. 高温で乾燥させると時間は短縮できますが香ばしくなりすぎてオリーブの風味は飛びます。

 
 

 

 

10)熟させて渋を抜く

難易度☆

何もしません。真っ黒に完熟した実をそのままにして真冬に採って食べます。オリーブの仄かな甘みが感じられます。

完熟オリーブ

[準備するもの]
  1. オリーブの生の実(完全完熟)

 

[作り方]
  1. オリーブの実は12月には完熟しますが、それでも収穫せず年を越して1月に収穫します。
  2. 生のまま齧ると渋みはほとんどありません。仄かな甘みが感じられます。
  3. うちではルッカを食べます。
  4. 野鳥が生っている実をそのまま食べ始めたら渋みが消えたサインです。

 

※オリーブの実を収穫せずそのまま生らしていると木にとってはストレスです。できれば年越しの実は少量に止めてやってください。

 
 

 

 

11)苛性ソーダで渋を抜く

難易度★★★

国内のほぼ全てのオリーブの塩漬けはこの方法で作られている。薬剤の取り扱いに注意が必要。

オリーブの塩漬け 新漬け
[準備するもの]
  1. バケツ
  2. ホース
  3. 落し蓋
  4. 苛性ソーダ
  5. ビニール手袋

 

[作り方]
  1. 前処理として、ヘタはきれいに取り除く。除いておかないと苛性ソーダ水が沁みこみにくくなって渋が残るので注意。
  2. 苛性ソーダ水(濃度1.8%)に収穫したばかりの実を入れる。
  3. 実が空気に触れると茶色く変色するので落し蓋をする。ただ数時間したら実はバケツの下に落ちていく。
  4. 2時間間隔で軽くかき混ぜる。ちなみに苛性ソーダ水に、そのまま手を突っ込むと皮膚がぬるっと溶け始めるのでビニール手袋は必須。
  5. ソーダ水がだんだんコーヒー色になってくる。
  6. 8~12時間ほど漬ける。実が柔らかかったり小さいと早めに渋が抜ける。水温が高くても早くなる。8時間くらいしたら実を切って種のところまでソーダ水が沁みているのかチェックする。
  7. ホースをバケツの底に入れて真水を流しいれる。
  8. いったん透明になったら落し蓋。茶色の濁りがなくなるまで2~3日程度は朝昼晩と3回水を替える。
  9. 完全に茶色の濁りがなくなったら塩水に漬ける。初日は1%の塩水。2日目は2%。3日目は3%これくらいで食べられるが長期に保存したい場合は6%くらいまで上げる。ちなみに、最初から濃い塩水に漬けると実が委縮して塩水が染みにくいので面倒でも徐々に塩分濃度は上げていくこと。
  10. 苛性ソーダ水は強アルカリ性なので、そのまま排水することはできません。必ず酢(薬局で販売している酢酸もしくはその10倍の食酢)にて中和してから排水してください。

 
苛性ソーダを使ったオリーブの塩漬け(新漬け)を実際に作ってみた(写真あり)

【外部リンク】家庭で出来るオリーブ脱渋液中和の方法

 

 

 

12)オリーブオイルを手搾りする

難易度★★★★★

成功するコツは完熟した実を使うことと油分率が高い品種を使うこと。それと搾れると信じ続ける気持ち。

オリーブオイル 手搾り

 
 
オリーブオイルの手搾りについて丁寧に書かれた小豆島オリーブ公園のページのリンクを張ります。私もオリーブ公園の講習会で最初に手搾り体験をしました。悪戦苦闘の末、オリーブオイルが採れた時の感動と、その少なさにびっくりした覚えがあります。1kgの実から30gくらいのオイルが採れました。

 

小豆島オリーブ公園のマイオイルの作り方ページへ

  
 
[手搾りを成功させるコツ]

  1. 完熟した真っ黒の実を使うこと(油分率が低い緑色の実からオイルを手搾りすることはとても難しいです)
  2. できれば油分率が高い品種の方が成功率は高いです。(小豆島の品種だとルッカが抜群に成功しやすく、ミッションはなかなか難しい)
  3. とにかくもみ続けること。楽しようとしてミキサーなどを使うとほぼ失敗します。温かい手で揉み続けること、それが手搾り成功の最大の秘訣。

 

 

 

 

最後に閑話休題

オリーブの実は濃い緑色から黄緑色、黄、赤、紫、黒と熟れるに従って渋みが減っていきます。緑色の実は、虫や鳥たちに食べられないよう、とても渋みは強いのですが、そんな渋い実を平気で食べる虫がいます。それがハマキムシ。葉巻虫というくらいですから普段はオリーブの葉を巻いて隠れ家にしつつ、その葉を食べているのですが、実が生ると葉から降りてきて数個の実が重なったところを家にしてその家を穴だらけにしてしまいます。絵本の「はらぺこあおむし」は、かわいいですが、オリーブ農家としては収穫目前のピカピカの実をいくつも糞だらけにしながら食べ散らかすハマキムシは、あまりかわいくありません。しかし、他の虫が食べない渋いオリーブの実をハマキムシはなぜ大好きなのでしょうか。渋くないのでしょうか。不思議だったので、オリーブの実を食べて丸々に太ったハマキムシを生のまま畑で食べてみました。すると不思議、全く渋くなくてまろやかなオリーブの甘い味だけしかしません。ここからは想像なのですが、ハマキムシのお腹の中にある消化酵素がオリーブの渋みの成分を分解したようです。もしかすると生のハマキムシを沢山食べると、その酵素をお腹に取り込むことができて人間である僕もオリーブの緑色の実をむしゃむしゃ食べれるようになるかもしれませんが、今のところオリーブ以外の食べ物があるので、やめています。

 

 

 
新しいオリーブの実の渋抜き、おいしい食べ方レシピ大募集です!

ぜひコメント欄にご記入いただき、オリーブの実をカラスに食べられている日本のオリーブ愛好家に教えてあげてください。

  
 

 

“家庭でオリーブの実を美味しく食べる12の方法” への10件のフィードバック

  1. 去年は塩水で渋みを抜きましたが、食べ残して渋抜き始めてから1年たちビンのなかで
    茶色に変色しました 食べてみたらオイルを含んだようなまろやかさがあり渋みも完全に
    抜けていました(オリーブ感が薄れていて少し物足りないかな?) すっぱみもないので食べるのは問題ないでしょうか?(ご回答いただければ幸いです)
    今年は味噌漬けと日本酒漬けに挑戦します
    大変参考になりました 

    • 大河原公子さん
      コメントありがとうございます。うちでも日本酒漬けは毎年作ります。味噌漬けは、どんな味噌と相性がいいか色々試してみたいですね。塩水漬けですが、冷蔵庫に入れて塩分濃度7%以上にして作ると、これまで腐るようなことはありませんでした。でも、一般の家庭で作ったものには細菌は必ずいます。ご自分の鼻と味覚で大丈夫かどうか確かめるしかないのですが心配でしたら湯煎したらどうでしょう。80℃くらいのお湯に10分~15分くらいが目安のようです。実の中まで熱が伝わっているかどうかが大切ですが最終的には自己責任でお願いします。

  2. ご丁寧にありがとうございます。塩漬けオリーブは一年間冷蔵庫に入っていますが
    湯せんして試してみます 有難うございました

    • 大河原公子さん
      うちもそろそろ食べ時になってました。そのまま食べるときは塩抜きするのですが、パスタとかに入れる場合は、ざっと洗ってそのままでも塩味が馴染んでいい感じになります。

  3. 「オリーブの塩漬けに初めて挑戦しています。重曹を入れて渋抜きしている時は冷蔵庫に入れるのですか?」というご質問をいただきました。

  4. はじめまして。
    今年なった実を半分グリーンオリーブとして収穫、残り半分をブラックオリーブで収穫しました。
    グリーンの方は重曹でアク抜き、塩漬けにしてみたのですが、空気に触れてしまったせいか色味が悪くなり失敗しました。
    ブラックオリーブのアク抜きを調べているのですが、こちらもグリーンと同じアク抜きの仕方で大丈夫でしょうか?
    苛性ソーダを使ってみたいと思っています。

  5. はじめまして!
    苛性ソーダでの渋抜きは数回しかしていないので自信はないのですが、基本的な方法は同じです。しかし、実が熟している分、果肉が柔らかくなっているので苛性ソーダに漬ける時間を短くしてください。緑果の最低時間8時間より短いタイミングで渋抜きチェック。漬ける時間が長くなりすぎると、ぐずぐずになります。

    • ありがとうございます!
      短めで試してみようと思います。
      実の量が少なめなので、苛性ソーダ水1.8%濃度1リットル分に今日早速漬けました。
      少しずつ真水で薄めながら水を入れ替えて廃液するのでしたら、普通に排水溝に流しても大丈夫な濃度でしょうか?
      いろいろ調べていると中和した方がいいようにも書いてあり困ってしまいました。。
      質問ばかりですみません。

      • 苛性ソーダ水は強アルカリなので、そのまま排水溝に流すことはできません。必ず酸性のお酢で中和してから流すようにしてください。
         
        小豆島では他の地域より多くの家庭で苛性ソーダを使ったオリーブの渋抜きが行われているため、中和処理を徹底するよう指導されています。
        そのまま排水すると島の場合は浄化槽の水質が悪化したり、川に流すと川から海の水質を汚染することになります。
         
        面倒だと思われる方もいらっしゃいますが、強い薬剤を使用する場合は最終工程まで責任を持つことが大切だと思います。
         
        中和は薬局で販売している「日本薬局方 酢酸」もしくは食酢で行います。詳しくは下記小豆農業改良普及センターのページをご覧ください。
         
        家庭で出来るオリーブ脱渋液中和の方法
        http://www.pref.kagawa.lg.jp/shozu/nokai/topic/olivecook/kateishori.pdf

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