山田オリーブ園 国内で初めてオリーブの有機栽培に成功しました。

世界のオリーブ生産地の年間降雨日より「オリーブに冬の水やりは必要か?」

オリーブへの冬の水やりは必要か?ということについてここ数年考えている。

 

というのも冬に雨が多いと冬の間もオリーブの葉色が濃く春には多くの花を咲かせる気がする。逆に冬にほとんど雨が降らなかった年は葉が弱り花も少ない気がする。気がするとしか言えないのは、オリーブは隔年で収穫量が増減する裏表年があったり、若木は自身の成長度合いによって収穫量がどんどん増えたり、冬以外の春夏秋の雨量や気温などの影響によっても収穫量が変わるので、冬の雨の影響以外の要因が多いので特定しにくい。

 

2年前の冬、島のオリーブが非常に弱ったことがあって、その原因が冬の少雨ではないのかということについて書いたこともあった。

「2019年の小豆島におけるオリーブの冬枯れについて考えた」

 

そこで海外のオリーブの主要産地の月別の降水日を改めて調べてみた。大きな傾向を掴むだけなので降水量でなくひとまずデータが取りやすかった降雨日で代用。HikersBayの世界の気候と年間の天気のグラフを使わせていただく。

 

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イタリアのオリーブの産地、南部のシチリア島。11月、1,2,3月と晩秋から冬に雨が降っている。4月~10月までは雨が降らない。

 

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良質なオリーブオイルのイタリアの産地。あこがれのトスカーナ。南部より雨多いけど傾向は同じ秋と冬に降って春夏は降らない。

 

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世界一のオリーブオイル生産国スペイン。南部のセビリア。夏は完全に乾期で全く雨ナシ。秋冬春に少し降る。

 

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スペイン北部のバルセロナも南部とほとんど同じ。夏に乾期。それ以外に少し。

 

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オリーブ発祥の地トルコ。南部のアンタルヤ。イタリアのトスカーナに近い。冬に降って夏に乾く。

 

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オリーブオイル生産量世界第5位ギリシャ。スペイン南部と同じような気候で年間を通して雨は少ないがやはり冬降って夏降らない。

 

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オリーブオイル新興国の雄アメリカのカルフォルニア。小豆島にオリーブを伝えた地域。典型的な夏乾期の冬雨期。パターンはトルコやトスカーナそっくり。

 

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最後に新興国もう1つ。オーストラリアのアデレード。逆に見えるが南半球なので夏に雨が少なく冬に降るパターンは同じ。スペイン南部に近い。

 

 

それに対して日本はどうか。瀬戸内海に面する岡山、現在オリーブ栽培面積が増え始めている九州と静岡。

 

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小豆島の天候とほとんど同じ岡山。海外のオリーブ産地に比べるとこんなに降るのか。

 

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こちらは福岡。同じく夏に降って冬少なめ。

 

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静岡も同じ。

 

これらのグラフはあくまでも降水量ではなく降雨日なので傾向を見る程度にとどめるが推測できることがある。世界のオリーブの生産地は冬に雨が少し降って夏は徹底的に乾いている。日本はいずれの地方にしても夏に雨が降りすぎている。冬は少ないけど海外の産地と比較すると同じくらい。なので冬の日本の少雨は海外の冬の雨量と変わらないのでそれほど問題はないが夏の雨がオリーブの栽培を難しくしている可能性がある。

 

では日本では冬にオリーブに水やりはしなくていいのかだけど、基本的にはやらなくていいけど、あまりに雨が少ない年は水やりしたほうが安心かもね、というのが今のところの結論。それにしても夏は全く水やりしなくていい、というのも結論。

 

少々ふわっとしたけど、そろそろ海外の情報を丁寧に収集しないといけないだろうなというのも結論。スペイン語、イタリア語の翻訳機能使ってもなかなか意味不明だけど何か方法ないだろうか。

 

 

文と写真 山田典章

オリーブ専業農家。香川県小豆島の山田オリーブ園園主。1967年佐賀県生まれ。岡山大学農学部を卒業後、会社員時代の約20年間に保育園事業などの6つの事業に携わる。2010年に小豆島に移住し、子どものときに好きだった虫捕りが毎日できる有機オリーブ農家になる。好きなものは虫と本と日本酒。オリーブ栽培としては初の有機JASに認定される。山田オリーブ園ではオリーブや柑橘類の栽培、加工、販売を行う。

 

 

 

 

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