国産の有機栽培で育てたオリーブオイル 22の特徴
下記は【小豆島の有機オリーブ通販 山田オリーブ園】で販売している当園オリーブオイルの説明書きです。ここに書かれていることの意味を補足しています。オリーブオイル全般を購入する場合の参考にもしていただけます。
商品名:小豆島産有機エキストラバージンオリーブオイル
内容量:109g(120ml)
原材料:食用オリーブ油(小豆島産有機オリーブ果実・ルッカ種)
賞味期限:2022.5.31(1年半)
収穫ほ場:山田オリーブ園自家有機専用ほ場(香川県小豆郡小豆島町神懸通流田甲1504-2他/有機JAS№373241001)
収穫日:2018年10月22日~10月25日
搾油場:山田オリーブ園自家有機専用加工所(香川県小豆郡小豆島町神懸通字柴中甲1729/有機JAS№373242001)
搾油日:2020年10月22日~10月25日
栽培方法:有機栽培
潅水:0回
果実熟度:早摘み
収穫方法:手摘み
搾油温度:コールドプレス(低温圧搾法26℃以下)
濾過方法:濾紙を使用した自然落下法
酸度:0.2%未満
栽培責任者:山田典章
搾油責任者:山田典章
官能分析責任者:オリーブオイルソムリエ 山田いづみ
1)内容量が109gであること → 内容量:109g(120ml)
一般的な他社の120mLボトルに充填するオイルの重量は100g~108gまで。109gまで入れることでボトルの細い首部分までオイルが入り空気に触れる面積が少なくなります。オイルは空気に触れると酸化するのでぎりぎりまでオイルを充填しています。ご購入後はオイルボトルは立てて保管してください。寝かせるとオイルと空気との接触面積が大きくなって酸化が早まります。
2)120mLボトルの遮光瓶にしていること → 内容量:109g(120ml)
一般的なビンのサイズは200mL前後で販売することが多いオリーブオイル。半分程度の小瓶にすることで開封してから使い切るまでの期間を短くし酸化しないオイルを楽しんでいただけます。開封していないオリーブオイルは1年半ほど風味は持ちますが開封後は3カ月以内に使い切ることをお勧めします。ちなみに、オリーブオイルは紫外線に弱いので遮光瓶を使うのが一般的です。最近では、生産者によっては遮光性が高いステンレスの瓶や遮光性の塗料を塗った瓶、アルミホイルで包装した瓶など様々な工夫がされるようになりました。光を通す透明の瓶、光のみか空気まで通すペットボトルの瓶などに入ったオリーブオイルは急速に劣化します。もし、そのような瓶のオイルを購入された場合はアルミホイルで包むなどして遮光してから保管してください。
3)小豆島産であること → 原材料:食用オリーブ油(小豆島産有機オリーブ果実・ルッカ種)
日本で栽培されているオリーブの実を搾った国産オリーブオイルは、国内のオリーブオイルの消費量の0.1%未満と非常に希少です。生産者の顔が分かる搾りたての国産オリーブオイルならではの安心感があります。また小豆島は日本で最初にオリーブの生産を始めた、まさに日本のオリーブの聖地。栽培が始まって110年の歴史に裏付けられた確かな栽培、搾油技術に私たちは誇りを持っています。国内のオリーブ生産量の9割以上を占めている小豆島ですが、昨今、周辺の瀬戸内海や九州、関東近郊でのオリーブ栽培が急速に広がっています。新鮮で搾りたてのオリーブオイルを作ることに意欲的な生産者の方たちとお会いする機会も多くなりました。そういった方たちの中には本場のイタリアやスペインでオリーブを学んできた方などもいて思考も柔軟です。近い将来、国内の新たな場所でこれまでに味わったことがない国産オリーブオイルが誕生すると思われます。これまでの小豆島の先輩方の実績に胡坐を掻くのでなく、日々の農作業を継続する努力と新たな挑戦を続ける好奇心が、今こそ求められています。
4)有機オリーブ果実であること → 原材料:食用オリーブ油(小豆島産有機オリーブ果実・ルッカ種)
日本固有のオリーブアナアキゾウムシなどの被害を防ぐために、日本のオリーブ栽培には欧州などでは使用が禁止されている有機リン系の農薬や現在、ミツバチが死ぬことで問題になっているネオニコチノイド系の農薬が使われています。どちらの農薬も日本では人体、環境への影響は問題ないとされて使用されています。当園では、オリーブアナアキゾウムシを全て手で捕ることで農薬を使用しない有機農業でオリーブを栽培し搾油しています。国内消費量の0.001%未満の幻の国産有機オリーブオイルです。
5)単品種のオイルであること → 原材料:食用オリーブ油(小豆島産有機オリーブ果実・ルッカ種)
オリーブは多くの品種があります。そしてその品種によって香りや味は全く違うオイルになります。一般的にオリーブの栽培、搾油を行う農家は複数の品種を栽培しています。品種毎に収穫し、搾油することは非常に手間が掛かり、また搾油の工程でロスが生じます。しかし、当園では品種毎の全く違った風味を感じていただくために単品種のオリーブオイルにこだわっています。
6)賞味期限が短いこと → 賞味期限:2022.5.31(1年半)
一般的にエキストラバージンオリーブオイルの賞味期限は2年とされていますが、当園のオイルは1年半と短く設定しています。ほとんどのオイルは開封せずきちんと管理されれば2年間は風味は落ちませんが、品種や年による気象環境の変動などにより一部のオイルで若干の風味の劣化が起こることがあります。間違いなく風味をを楽しんでいただける期間に賞味期限を設定しています。ただし、オリーブオイルは期限が過ぎても風味が若干落ちる程度ですので、もし使い切れかかった場合も香りを確かめてご使用いただけるとありがたいです。
7)自家農園であること → 山田オリーブ園自家有機専用ほ場(香川県小豆郡小豆島町〇〇/有機JAS№373241001)
苗木を植え、毎日世話をして長年育ててきたオリーブの木から採れる実だけを使って丁寧に搾油しているので、自信を持って毎年オイルをお届けできます。オリーブオイルは実の熟度、収穫タイミングによって、その風味が変わります。木の個性やその年の状態などの詳細なデータをもとに収穫を行うことで、高品質なオリーブオイルを搾ることができます。
8)ほ場の住所を銘記していること → 山田オリーブ園自家有機専用ほ場(香川県小豆郡小豆島町〇〇/有機JAS№373241001)
オリーブの木は畑の土や周辺環境などに大きく左右されます。どの畑で収穫した実を搾ったオイルかを自分のためにもお客様のためにも明確にしています。また近年、GAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)の推進など農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組みが推奨されており、先進的な農家ではトレーサビリティの一環として情報を公開する動きが始まっています。
9)有機JAS№を銘記していること → 山田オリーブ園自家有機専用ほ場(香川県小豆郡小豆島町〇〇/有機JAS№373241001)
当園のオリーブオイルで使用する実は全て有機栽培のオリーブを使用しています。有機JASの表示は、自己申告の無農薬農産物と違い毎日の栽培工程の記録と提出、1年に1回の外部機関による定期検査が義務付けられています。検査に通ると各ほ場ごとに有機JASナンバーが付けられます。自己基準とは別に、外部の検査機関のチェックが定期的に入ることで、より確実で安定的な栽培管理が可能になります。
10)収穫日を銘記していること → 収穫日:2020年〇月〇日~〇月〇日
日本でのオリーブの収穫時期は10月~12月です。オリーブの実は緑色から黄色、赤、黒と秋が深まるにつれ熟して風味や脂質の含有率が変化していきます。品種による違いはありますが、10月に緑色の実を搾ったオイルは香りや辛味が強い傾向にあり、12月に黒い実を搾ったオイルは香りは薄くまろやかな傾向になります。収穫時期は、オイルの風味を決める大切な要因となるためお客様にもお知らせしています。
11)自家搾油所であること → 搾油場:山田オリーブ園自家有機専用加工所(香川県小豆郡小豆島町神懸通字柴中甲1729/有機JAS№373242001)
オリーブの実は収穫した瞬間から酸化が始まりオイルの質は落ちていきます。収穫して、できるだけ早く搾るためには、大手のオリーブオイルを製造する企業に委託するのではなく、自家搾油所ですぐに搾る必要があります。また、収穫期間中の気温変化により実が熟するタイミングが変わったり、大雨などで実の香りが薄まるような予想外の気象変化にフレキシブルに対応することもできます。何より自分で育てた木の実を自分で最後まで搾ることで自信を持ってオイルをお届けすることができます。
12)搾油所の有機JAS№を銘記していること → 搾油場:山田オリーブ園自家有機専用加工所(香川県小豆郡小豆島町神懸通字柴中甲1729/有機JAS№373242001)
有機JASは農産物の認定と加工品の認定は別々に検査を受ける必要があります。有機オリーブの実を搾っても有機JASに認定されていない加工所で搾ると有機オリーブオイルとして販売することはできません。有機栽培で育てた農産物を、毎年1回検査を受ける有機JASの認定加工所でオリーブオイル、塩漬け、お茶、シロップ漬けなどの加工品で加工、製造しています。また、有機加工所では、有機以外の原料の加工は汚染の可能性があるため取り扱いの工程が厳しく定められています。当加工所は汚染のリスクを無くすために有機農産物以外の取り扱いは一切していません。
13)搾油日を銘記していること → 搾油日:2018年〇月〇日~〇月〇日
収穫した実は時間とともに傷むため可能な限り早く搾油することで高品質なエキストラバージンオリーブオイルになります。どんなに質の高い実でも収穫後、高温、多湿な環境で長時間保管されると劣化しオイルの風味は落ちてしまいます。当園は収穫後、最大でも24時間以内に搾油することをルールとしています。
14)有機栽培であること → 栽培方法:有機栽培
当園は2011年に国内で初めて有機栽培に成功し有機JASに認定されました。農薬を使用せずに害虫から木を守ることが非常に困難なため、現在でも全国で国産の有機オリーブを生産している農家は数軒に留まっています。日本人の食の安全のためにも、また日本の自然環境をそのまま取り込み虫や草花たちが畑の中で食物連鎖を起こすオリーブの森を育てるためにも有機栽培にこれからもこだわっていきます。
15)水やりをしないこと → 潅水:0回
一般的にオリーブ栽培では週に1度程度、定期的に潅水することでオリーブの実は肥大して収穫量は増えます。収穫量は減りますが、水をやらないことで木に対する渇きのストレスでオリーブの実は香りが増し、辛味などの特徴が際立つようになってきます。オリーブオイルを含んだときの果実のような爽やかな香りを際立てるために当園では1年を通して1回も水はやりません。
16)青い実を搾ること → 果実熟度:グリーンの果実
小豆島のオリーブの収穫時期は10月~12月。寒霞渓が紅葉するように、オリーブの実も緑から黄色、赤から紫そして黒に熟れていきます。緑色のオリーブの実は油が含まれる油分率は低いが香りが強い。黒く熟れたオリーブは油分率は高いが香りは弱い。早摘みの青い果実1kgから搾れるオリーブオイルはおよそ70g。完熟の黒いミッション種1kgから搾れる油は130g前後。香り高いオイルを作るためには熟した実の2倍近い実を使います。
17)実を手摘みすること → 収穫方法:手摘み
当園のオリーブの木には1本あたり1,000粒~2,000粒の実が生ります。この実を機械や道具を使わず手摘みします。傷や病気がない実を選んで爪を立てずに手のひらでそっと包むように愛情を込めて手摘みしていきます。手で摘むことできれいな実だけを使って雑味のないオイルを搾ることができます。キズや病気がある実、地面に落ちた実が混じったオイルからは本物のエキストラバージンオリーブオイルは生まれないと当園では考えます。
18)コールドプレスで搾ること → 搾油温度:コールドプレス(低温圧搾法26℃以下)
搾油機の中にあるペーストの温度を26℃以下で搾油しています。一般的には30℃以下でコールドプレスの基準を満たしていますが、それより低い数字にすることでオリーブ特有の香りをオイルから逃がさないようすることができます。搾油率は下がりますが香りが良いオイルを搾ることができます。温度が急速に変わらないようにペーストタンクに接している水槽に水を流し続けて流量を変えることで調整しています。
19)自然落下法で濾過していること → 濾過方法:濾紙を使用した自然落下法
搾油機から出てきたオイルは小さなオリーブの粒子が混ざっています。この粒子が混ざったオイルが無濾過のオイル。オリーブの癖が強く残っており香りも強いが雑味も残っています。この状態のまま保管すると粒子から酸化が始まるため長期間の保管ができません。そのためろ紙を使って小さな粒子を取り除くことで味がクリアーになり長期間の保管ができるようになります。濾過の方法はろ紙を使った自然落下法。ゆっくり時間を掛け一滴一滴溜めていく。あまり時間を掛けすぎると空気に触れている部分から酸化が始まるため、濾紙は目詰まりする前に3回ほど取り換えています。
20)酸度は0.2%未満であること → 酸度:0.2%未満
きれいな実だけを手摘みする。摘んだらすぐに低温で搾る。搾ったオイルの上澄みだけを使い、すぐに自然落下法で濾過をする。空気に触れないステンレスタンクで温度管理しながら保管するといった基本的なことを丁寧に行うことで、エキストラバージンオリーブオイルの酸度の基準は0.8%に対し、山田オリーブ園のオリーブオイルは0.2%以下を実現しています。
21)栽培と搾油を一人で行うこと → 栽培責任者:山田典章/搾油責任者:山田典章
600本のオリーブの栽培管理は当園の園主一人で行っています。そして、1本1本の木の個性と、その年の実の状態を知り尽くした同じ人間が搾油することで、理想とするエキストラバージンオリーブオイルを搾ることができると信じています。外注化したり、法人化して規模を拡大し役割分担をしながら生産量を増やしていく方法論が一般的ですが、量は少なくとも理想とする最高のオイルを搾るために徹底的にこだわり続けてまいります。
22)チェックは他者が行うこと → 官能分析責任者:オリーブオイルソムリエ 山田いづみ
理想とするオイルを一人で搾るためにも客観的な第三者による官能分析を園主のパートナーが行います。作った人間は思い入れが強くなる余り、独りよがりなものを作り出す危険があります。常にその危険を排除するためオリーブオイルソムリエの資格を持ったパートナーが辛口の分析をしてくれています。また、栽培は有機JASの第三者機関が行うことで工程品質に対するチェック機能も働いています。また個人のお客様にネットで直接販売することで、オイルに対するご意見や批評を直接いただけることも当園の強みと考えています。
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文と写真 山田典章
オリーブ専業農家。香川県小豆島の山田オリーブ園園主。1967年佐賀県生まれ。岡山大学農学部を卒業後、会社員時代の約20年間に保育園事業などの6つの事業に携わる。2010年に小豆島に移住し、子どものときに好きだった虫捕りが毎日できる有機オリーブ農家になる。好きなものは虫と本と日本酒。オリーブ栽培としては初の有機JASに認定される。山田オリーブ園ではオリーブや柑橘類の栽培、加工、販売を行う。
著書 これならできるオリーブ栽培 ~有機栽培・自家搾油・直売~
(出版社コメント)
オリーブをうまく育てるには? 経営として成り立たせるには? ~栽培から自家搾油、販売まで著者の経験を詳しく解説!~
手間いらずで儲かる新品目として注目されるオリーブ。しかし、「木が枯れてしまった」「何年たっても実がならない」「オイルの搾り方がよくわからない」といった声も。
本書では、脱サラで新規就農し、日本で初めてオリーブ栽培の有機JASを取得した著者が、確実に実をならせるための栽培のコツや病害虫対策、小規模な自家搾油所の作り方と搾油方法、ネット通販などのノウハウを丁寧に解説。
とくに、日本のオリーブ栽培で最大の難関となるオリーブアナアキゾウムシ対策は必見。昆虫少年だった著者が観察と実験を繰り返して、明らかにしたその生態をもとに、農薬を使わなくても、効率よく確実に被害を防ぐ方法を紹介。
まだ木が小さく実の収量が少ない時期の貴重な収入源になるオリーブ茶の作り方や、苛性ソーダを使わない安全な実のアク抜き法、ワイン漬けなどのおいしい実の加工品の作り方も多数紹介。
これからオリーブを栽培したい人、すでに栽培している人にも、ぜひおすすめの一冊。
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