家庭でオリーブの実を美味しく食べる12の方法
(2018年8月12日作成/2019年11月20日更新/2021年11月18日更新)
※おススメの種抜き器を追加しました。
小豆島のオリーブ農家が試行錯誤した家庭で育てたオリーブの実を美味しく食べる12の方法。
オリーブの実に含まれる渋みを含めた本来の風味を残しつつ、食べやすいオリーブの実を求めて沢山の失敗をしてきました。その中で比較的うまくいった方法を紹介しています。重曹、塩、水、ワイン、日本酒、炒める、干す、搾るなどの12の方法でお庭のオリーブの実を今年は美味しく食べてやってください。
目次
【実を食べる方法】
難易度★★★★ 手間は掛かるけどフレッシュなサラダ感覚のオリーブの風味を楽しめる方法。
難易度★ 塩をまぶして置いておくだけの最も簡単な方法。塩や実の品種の組み合わせなどにこだわると楽しい。
難易度★★★★★2カ月ほど毎日、水を替えて徐々に渋を抜く方法です。一番難易度高いかもです。大変です。
難易度★★ 7カ月ほど塩水に浸すだけの簡単な方法です。
難易度★★ 1年ほどアルコール類に漬けるだけでオリーブの香りがするお菓子になります。
難易度★ 日本酒の麹菌によって半月程で渋が抜けます。オリーブの養分が移ったポリフェノールたっぷりのオリーブ酒が半月くらいでできます。
難易度★★★ 塩で水分を抜いた後、日陰干しするだけ。オリーブ特有の油の旨みが感じられる素朴な味を楽しめます。
難易度★ 完熟したブラックオリーブを塩で炒めるだけのイタリアの田舎料理。オリーブ特有の渋みも楽しむ。
難易度★★★ 乾燥機で低温乾燥させて、オリーブの旨味を閉じ込めます。
難易度☆ 何もしません。真っ黒に完熟した実をそのままにして真冬に採って食べます。オリーブの仄かな甘みが感じられます。
難易度★★★ 国内のほぼ全てのオリーブの塩漬けはこの方法で作られている。薬剤の取り扱いに注意が必要。
【オイルにする方法】
難易度★★★★★成功するコツは完熟した実を使うことと油分率が高い品種を使うこと。それと搾れると信じ続ける気持ち。
【種抜き器】
山田オリーブ園では毎年大量のオリーブの種を1粒1粒種抜き器で抜いています。いろんな海外製の種抜き器を試しましたがドイツ製の【Westmark】オリーブストナー が今のところ一番使いやすくて壊れにくく値段も手頃だと思います。
↓
オリーブの実の渋みをなくして美味しく食べる方法はないか?
1.生のオリーブの実は渋くて食べられない
秋になると、黄色や赤に色づいて、見るからに美味しそうなオリーブの実。その実を初めて齧ったとき、あまりの渋さに体が震えました。吐き出しても、その渋みが口の中に残り1時間くらいは唾がとまらない。スーパーに売っているオリーブオイルや塩漬けは渋くないのに生のオリーブってこんなに渋いんだという驚き。その最初の体験は今から20年以上前、妻の実家がある小豆島でのことです。その後色々あって、僕は小豆島でオリーブ農家になります。
2.オリーブの渋みは実を虫や鳥たちから守るためのポリフェノール
美味しい食べ物だったオリーブが仕事になった訳ですが、そうなるとどこかの誰かがうまい具合に渋を抜いていたオリーブの渋が大問題になりました。そもそも何でオリーブの実は渋いのかということを調べてみました。
この渋みは虫や鳥、動物から身を守るために木が作り出すもので、そのお陰でオリーブは比較的、害虫による被害が少ないと言われています。この渋みの成分はポリフェノールの一種でオレウロペインやオレオカンタールという成分。人間の体にとっては抗酸化作用など有用な成分ですがオリーブの実をそのまま食べることを難しくしています。ですので、渋抜きと言っても完全に渋を抜いてしまうと体に良い成分は減ってしまう、ということは理解した上でどの程度渋を抜くかということ。渋みゼロはポリフェノールが少ないとも言えます。
さて、ではオリーブの実を美味しく食べる方法について国内外の方法を調べたり、自分で色々試したりしてきましたので、そのうちの12の方法を紹介します。もし、これ以外の方法でオリーブを美味しく食べられる方法をご存知の方がいらしゃったら、ぜひコメント欄でお知らせください。日本で育ったオリーブの実を美味しくいただく13番目の方法として追加させていただきます。
3.実のまま食べるかオイルにするか?
さて、渋いオリーブの実を食べる代表的な方法には大きく分けて2つあります。
オリーブの実のまま食べるか?オイルにするか?
オリーブ栽培を職業にしている小豆島のプロの農家は、搾油機でオリーブを搾り、苛性ソーダで渋を抜いた実を塩漬けに加工します。ちなみに搾油機は日本での製造がなく、海外の機械を商社が輸入しており、イタリア製の小さいものでも数百万円します。
また、国内で製造されるオリーブの塩水漬けの大部分は渋抜きのために苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使っています。苛性ソーダは、薬局でしか購入できない強アルカリの薬剤で、その取り扱いは難しく、どのご家庭でも気軽に扱えるものではありません。また苛性ソーダを使うことで体に良い成分であるポリフェノール類のほとんどが失われていると言われています。ですので、ここでは一般の家庭でもできる方法を紹介し、プラスして苛性ソーダで渋を抜く方法も参考までに紹介します。
家庭でオリーブを食べる12の方法
1.失敗の連続の果てに見つけた12の方法
オリーブの実に含まれる渋みを含めた本来の風味を残しつつ、食べやすいオリーブの実を求めて沢山の失敗をしてきました。その中で比較的うまくいった方法を紹介しています。ここでは紹介していませんが、乳酸菌によって渋を抜くヨーグルト漬けや納豆菌による納豆漬けなどでも、あまり美味しくはありませんが渋は抜けます。
また、酢、石灰、炭酸水、草木灰、水煮、冷凍、土埋めなど、渋が抜けなかったり腐ったり、とても不味かったりという沢山の失敗をしました。失敗体験談も別の機会に紹介したいと思いますが、今回は成功したものから。
2.渋が抜ける基本的なメカニズム
基本的には5つの方法論を見つけました。酸性の渋みをアルカリで中和させる、腐らない状態にして時間を掛けて徐々に抜く、食用できる菌によって発酵させる、乾かす、焼くです。渋を単純に抜くだけでしたら、もっとありましたが、日本人の口に合いそうにないような方法は今回の12の方法からは抜いています。
①酸性のポリフェノールをアルカリで抜く → 重曹・苛性ソーダ
②腐らないようにしながら時間を掛けて抜く → 塩・水・アルコール・・砂糖類・完熟させる
③発酵させて抜く → 日本酒・味噌・ヨーグルト・納豆
④乾燥させて抜く → 日陰干し・乾燥機
⑤熱で抜く → 炒める
3.渋を抜けやすくするコツ
どの方法にしても、より早く渋を抜く2つのコツがあります。
-
熟れる前の緑の実ではなく熟した黒い実は、そもそも渋みが少なくなっているので早く渋が抜けます。
-
前処理として種を抜きます。オリーブの果実は果皮に守られているので、そのままだと果実に渋を抜く成分がなかなか届きません。早く渋を抜きたい場合は種抜きの前処理が近道です。
1)重曹水で渋抜き
難易度★★★★
手間は掛かるけどフレッシュなサラダ感覚のオリーブの風味を楽しめる方法。
[準備するもの]
- オリーブの生の実
- 食用の重曹
- 塩
- オリーブの種抜き器
- ガラス瓶
[作り方]
- ガラス瓶に水を入れます。
- グリーンオリーブの種を抜きます。
- 種を抜いた実をそのままガラス瓶の水の中に落とします。(空気に触れる時間を少しでも短くするため)
- 3%の重曹水になるように重曹を混ぜます。
- 1日1回重曹水を取り替えます。(実は外に出さずホースで水を入れ真水にしてから重曹を入れます)
- 気温やオリーブの熟度によって前後しますが概ね10日前後で渋が抜けます。
- 好みの渋の濃さになったら1%の塩水に漬けます。
- 1日に1%ずつ濃い塩水に取り替えます。
- 好みの濃度の塩水になったら完成です。山田オリーブ園で販売している塩漬けは4%の塩水にしています。
- 塩分濃度が低いと早く痛みます。冷蔵庫に保管し2カ月以内に食べます。
[工夫]
- オリーブの実は空気に触れる時間が長いほど秒単位で緑色から茶色に変色します。緑色の塩漬けを作るためには空気に触れないように作ることがポイントです。ただし、茶色でも緑色でも風味は変わりません。
- 水替えのタイミングで瓶の中の実を攪拌することで渋抜けのムラを少なくできます。
- 種を抜かず傷をつけた実でもできます。渋が抜けるまで半月くらい掛かりますが、旨みと歯ごたえは種ナシより少し上です。傷をつけるのはセラミック製の包丁のほうが切り口が変色しにくいです。
- 皮の色は若干悪くなりますが、重曹水に漬ける前に、100℃の熱湯をくぐらせるブランチングをすると傷口の変色を更に防ぐことができます。
- オリーブの皮が気になる場合は食べる前に熱を加えると柔らかくなります。料理などで熱を通すとほとんど気になりません。
[動画]
こちらはMarin’s Single KitchenのMariさんが初めての重曹での渋抜きに挑戦している動画です。味噌漬けも美味しそう。
2)塩で渋を抜く
難易度★
塩をまぶして置いておくだけの最も簡単な方法。塩や実の品種の組み合わせなどにこだわると楽しい。
[準備するもの]
- オリーブの生の実(完熟したブラックがベスト)
- 塩
- オリーブの種抜き器
- ガラス瓶
[作り方]
- ブラックオリーブの種を抜きます。(種を抜いた方が早く渋は抜けますが抜かなくてもOK)
- 実の重量の1~2割程度の塩と実をガラス瓶に入れてざっと攪拌します。
- 暗所に保管します。
- 気温やオリーブの熟度によって前後しますが概ね3ヵ月前後で渋が抜けます。
[食べるときの工夫]
- 塩味が効いた食材として、そのまま料理に入れて使えます。
- フードプロセッサーにかけてオリーブペーストにしてから料理に使うこともできます。
- そのまま食べる場合は塩抜きをしてください。真水ではなく薄い塩水に漬けると塩気が抜けやすくなります。塩水に漬けて冷蔵庫に入れておくと3日~1週間程度でほどよく塩が抜けます。
- 岩塩や海塩など塩にもこだわる多彩な塩漬けが楽しめます。
3)水で渋を抜く
難易度★★★★★
2カ月ほど毎日、水を替えて徐々に渋を抜く方法です。一番難易度高いかもです。大変です。
[準備するもの]
- オリーブの生の実
- 水(水道水)
- オリーブの種抜き器
- ガラス瓶もしくはバケツと落とし蓋
[作り方]
- 実はグリーンでもブラックでもOK。ブラックの方が早く渋は抜けます。
- 種を抜きます。種を抜いた方が早く渋は抜けますが抜かなくてもOK。
- 空気に触れないように実を水に浸します。気温にもよりますが1日~2日に1度は水替えします。
- 空気に触れたり、気温が高かったり、水替えを忘れるとカビます。
- 冬に作り、室内ではなく日が当たらない外に置いておきます。
- 渋が抜けるまでは最低でも1カ月ほど掛かります。渋が抜けたら塩水に入れて冷蔵庫で保管してください。
※ちょっと水替えを忘れたり、雑菌が入ったり、気温が上がったりすると実にカビが発生し腐敗が始まります。
※塩素が入っているせいかどうかは分かりませんが水道水の方が成功率が高い気がします。
[食べるときの工夫]
- ハーブなどを入れて色々な風味をお試しください。
- 岩塩や海塩など塩にもこだわる多彩な塩漬けが楽しめます。
4)塩水で渋を抜く
難易度★★
7カ月ほど塩水に浸すだけの簡単な方法です。
[準備するもの]
- オリーブの生の実
- 塩水(塩分7~10%)
- オリーブの種抜き器
- ガラス瓶もしくはバケツと落とし蓋
※シンプルな方法ですのでオリーブの品種によって風味が全く違います。
[作り方]
- 実はグリーンでもブラックでもOK。ブラックの方が早く渋は抜けます。
- 種を抜きます。種を抜いた方が早く渋は抜けますが抜かなくてもOK。
- 空気に触れないように実を7~10%程度の塩水に浸し冷蔵庫に保管します。
- 空気に触れたりするとカビますので、たまにチェックすることをおすすめします。
- 渋が抜けるまでは7カ月~1年ほど掛かります。
- 渋が抜けたら薄めの塩水に入れて塩抜きをしたら食べられます。
[食べるときの工夫]
- 塩味が効いた食材として、そのまま料理に入れて使えます。
- そのまま食べる場合は塩抜きをしてください。真水ではなく薄い塩水に漬けると塩気が抜けやすくなります。塩水に漬けて冷蔵庫に入れておくと3日~1週間程度でほどよく塩が抜けます。
- 岩塩や海塩など塩にもこだわる多彩な塩漬けが楽しめます。
5)ワインで渋を抜く
難易度★★
1年ほどアルコール類に漬けるだけでオリーブの香りがするお菓子になります。
[準備するもの]
- ブラックオリーブの生の実
- 赤ワインを使ったものを紹介します。
- オリーブの種抜き器
- ガラス瓶もしくはバケツと落とし蓋
[作り方]
- 実はブラックの方がまろやかで美味しいです。
- 種を抜きます。
- 空気に触れないように実を赤ワインにに浸して冷暗所に保管します。
- 空気に触れた部分はカビが発生するので、実が赤ワインで全部漬かるように、うちではコーヒーフィルターの濾紙で押さえています。
- 渋が抜けるまでは最短でも半年~1年ほど掛かります。
※赤ワインの代わりに白ワイン、ホワイトリカー、ブランデー、焼酎やウオッカなども試しましたが、それぞれのお酒の風味を楽しめました。お好きなお酒でチャレンジしてみてください。
[食べるときの工夫]
- 赤ワインを捨てて代わりにメープルシロップやハチミツに漬けると美味しいです。
- お菓子の材料やアイスクリームやヨーグルトに乗せて食べています。
6)日本酒で渋を抜く
難易度★
日本酒の麹菌によって半月程で渋が抜けます。オリーブの養分が移ったポリフェノールたっぷりのオリーブ酒が半月くらいでできます。
[準備するもの]
- ブラックオリーブの生の実
- 日本酒
- ガラス瓶
[作り方]
- 実は赤い色素が多く出るブラックの方が綺麗です。
- 実のポリフェノールが移った日本酒を飲むので実の種は抜かなくてもOK。
- ブラックオリーブを日本酒でひたしたら満たすだけです。
- 1週間くらいで日本酒が鮮やかな赤色に染まり始めます。
- 2週間もすればお酒にオリーブの風味が移っているので、そのお酒が飲めます。
[食べるときの工夫]
- 冷でも燗でも美味しいです。
- 私は風邪のときに飲みます。効いている気がしますが実際は分かりません。
- 実は風味が抜けて、特に美味しくないです。
※同じ麹菌の味噌でも渋は抜けます。種を抜いた実を味噌漬けにして タッパーに入れておくと2週間ほどで渋が抜けています。奈良漬のような不思議な味と歯ごたえのジャパニーズオリーブができます。
7)干して渋を抜く
難易度★★★
塩で水分を抜いた後、日陰干しするだけ。オリーブ特有の油の旨みが感じられる素朴な味を楽しめます。
[準備するもの]
- ブラックオリーブの生の実
- 塩
- 麻袋
- ザル
[作り方]
- 皮に傷を付ける。(包丁でぐるりと一周切るかフォークなどで10箇所くらい穴を開ける)
- たっぷりの塩と一緒に麻袋に入れる。(麻袋の代わりに粗めの布に入れて口を紐で縛ってもいい)
- 雨が掛からず風通しがいい場所に吊るす。下に水が垂れるのでバケツなどを置く。
- 1週間~10日ほど待つ。渋が抜けていればOK。
- 塩をざっと軽く洗い流しザルに広げて日陰で干す。
- 天日干しにする場合は半日程度でOK。長く干しすぎると香ばしくなりすぎる。
- 好みの硬さまで干す。短ければ半生、長く干すとからから干し。
- 半生の場合は冷蔵庫で保管し早めに食べないとカビます。からから干しだと常温で半年くらい保ちます。
[食べるときの工夫]
- 酒の肴です。
- うちでは夏にビールのつまみとして食べています。
8)焼いて渋を抜く
難易度★
完熟したブラックオリーブを塩で炒めるだけのイタリアの田舎料理。オリーブ特有の渋みも楽しむ。
[準備するもの]
- ブラックオリーブの生の実
- 塩
- フライパン
[作り方]
- フライパンで生の実を炒めて、ぱっと塩を振りかければ出来上がり。
- 基本的には熱を通しても渋みは抜けません。12月頃の完熟して渋みが減ったブラックオリーブを使うことで、ほのかな渋みとオリーブの旨味を一緒に楽しみます。
- 渋みは収穫する時期による熟れ具合と品種に左右されます。うちでは12月に収穫し損ねたルッカを使うか、黒くなったハーディズ・マンモスを使います。ハーディズはもともと渋みが少なく実が大きい品種なので、実を食べるのに、適しています。
[食べるときの工夫]
- 酒の肴です。
- 収穫の山場が終わった12月に日本酒の肴として楽しみます。
9)乾かしで渋を抜く
難易度★★★
乾燥機で低温乾燥させて、オリーブの旨味を閉じ込めます。
[準備するもの]
- オリーブの生の実
- 種抜き器
- 食品用の乾燥機
[作り方]
- 種抜き器で種を抜きます。(種ありのままだと時間が掛かりすぎるでおすすめできません)
- 乾燥機で40度以下の低温乾燥がおすすめです。30時間くらいで、ほぼ渋が抜けます。
- 高温で乾燥させると時間は短縮できますが香ばしくなりすぎてオリーブの風味は飛びます。
10)熟させて渋を抜く
難易度☆
何もしません。真っ黒に完熟した実をそのままにして真冬に採って食べます。オリーブの仄かな甘みが感じられます。
[準備するもの]
- オリーブの生の実(完全完熟)
[作り方]
- オリーブの実は12月には完熟しますが、それでも収穫せず年を越して1月に収穫します。
- 生のまま齧ると渋みはほとんどありません。仄かな甘みが感じられます。
- うちではルッカを食べます。
- 野鳥が生っている実をそのまま食べ始めたら渋みが消えたサインです。
※オリーブの実を収穫せずそのまま生らしていると木にとってはストレスです。できれば年越しの実は少量に止めてやってください。
11)苛性ソーダで渋を抜く
難易度★★★
国内のほぼ全てのオリーブの塩漬けはこの方法で作られている。薬剤の取り扱いに注意が必要。
[準備するもの]
- バケツ
- ホース
- 落し蓋
- 苛性ソーダ
- ビニール手袋
- 塩
[作り方]
- 前処理として、ヘタはきれいに取り除く。除いておかないと苛性ソーダ水が沁みこみにくくなって渋が残るので注意。
- 苛性ソーダ水(濃度1.8%)に収穫したばかりの実を入れる。
- 実が空気に触れると茶色く変色するので落し蓋をする。ただ数時間したら実はバケツの下に落ちていく。
- 2時間間隔で軽くかき混ぜる。ちなみに苛性ソーダ水に、そのまま手を突っ込むと皮膚がぬるっと溶け始めるのでビニール手袋は必須。
- ソーダ水がだんだんコーヒー色になってくる。
- 8~12時間ほど漬ける。実が柔らかかったり小さいと早めに渋が抜ける。水温が高くても早くなる。8時間くらいしたら実を切って種のところまでソーダ水が沁みているのかチェックする。
- ホースをバケツの底に入れて真水を流しいれる。
- いったん透明になったら落し蓋。茶色の濁りがなくなるまで2~3日程度は朝昼晩と3回水を替える。
- 完全に茶色の濁りがなくなったら塩水に漬ける。初日は1%の塩水。2日目は2%。3日目は3%これくらいで食べられるが長期に保存したい場合は6%くらいまで上げる。ちなみに、最初から濃い塩水に漬けると実が委縮して塩水が染みにくいので面倒でも徐々に塩分濃度は上げていくこと。
- 苛性ソーダ水は強アルカリ性なので、そのまま排水することはできません。必ず酢(薬局で販売している酢酸もしくはその10倍の食酢)にて中和してから排水してください。
苛性ソーダを使ったオリーブの塩漬け(新漬け)を実際に作ってみた(写真あり)
12)オリーブオイルを手搾りする
難易度★★★★★
成功するコツは完熟した実を使うことと油分率が高い品種を使うこと。それと搾れると信じ続ける気持ち。
[準備するもの]
- オリーブの生の実(完全完熟)
- できるだけ熟したオリーブの実
- ジブロック(厚めの袋でも可)
- 漏斗もしくはコーヒーのドリッパー
- キッチンペーパーもしくはペーパーフィルター
- ガラス容器
- スポイト
[作り方]
- 実をジブロックに入れて袋の上から潰します。
- がんばって1時間くらい揉み続けます。手の体温が伝わって実が温まるくらい揉んでいると、袋の端の方に黄色いオイル状の液体が見え始めます。
- ガラス容器にキッチンペーパーを敷いた漏斗を差しこみ、その中に揉み込んだペースト状の実を入れます。待つと、水分と油分がガラス容器に落ちていきます。実は詰め込みすぎると、液体が詰まってしまい落ちません。部屋は暖かい方が早く落ちていきます。
- 半日から1日くらい置いておくと油分と水分が分離していきます。
- 上にある油分だけをスポイトで吸い取り完成です。
[手搾りを成功させるコツ]
- 完熟した真っ黒の実を使うこと(油分率が低い緑色の実からオイルを手搾りすることはとても難しいです)
- できれば油分率が高い品種の方が成功率は高いです。(小豆島の品種だとルッカが抜群に成功しやすく、ミッションはなかなか難しい)
- とにかくもみ続けること。楽しようとしてミキサーなどを使うとほぼ失敗します。温かい手で揉み続けること、それが手搾り成功の最大の秘訣。
- 部屋は暖かくした方が、オイルが採りやすいです。
- 5%くらいのオイルが採れたら大成功です。
最後に閑話休題
オリーブの実は濃い緑色から黄緑色、黄、赤、紫、黒と熟れるに従って渋みが減っていきます。緑色の実は、虫や鳥たちに食べられないよう、とても渋みは強いのですが、そんな渋い実を平気で食べる虫がいます。それがハマキムシ。葉巻虫というくらいですから普段はオリーブの葉を巻いて隠れ家にしつつ、その葉を食べているのですが、実が生ると葉から降りてきて数個の実が重なったところを家にしてその家を穴だらけにしてしまいます。絵本の「はらぺこあおむし」は、かわいいですが、オリーブ農家としては収穫目前のピカピカの実をいくつも糞だらけにしながら食べ散らかすハマキムシは、あまりかわいくありません。しかし、他の虫が食べない渋いオリーブの実をハマキムシはなぜ大好きなのでしょうか。渋くないのでしょうか。不思議だったので、オリーブの実を食べて丸々に太ったハマキムシを生のまま畑で食べてみました。すると不思議、全く渋くなくてまろやかなオリーブの甘い味だけしかしません。ここからは想像なのですが、ハマキムシのお腹の中にある消化酵素がオリーブの渋みの成分を分解したようです。もしかすると生のハマキムシを沢山食べると、その酵素をお腹に取り込むことができて人間である僕もオリーブの緑色の実をむしゃむしゃ食べれるようになるかもしれませんが、今のところオリーブ以外の食べ物があるので、やめています。
□
文と写真 山田典章
オリーブ専業農家。香川県小豆島の山田オリーブ園園主。1967年佐賀県生まれ。岡山大学農学部を卒業後、会社員時代の約20年間に保育園事業などの6つの事業に携わる。2010年に小豆島に移住し、子どものときに好きだった虫捕りが毎日できる有機オリーブ農家になる。好きなものは虫と本と日本酒。オリーブ栽培としては初の有機JASに認定される。山田オリーブ園ではオリーブや柑橘類の栽培、加工、販売を行う。
著書 これならできるオリーブ栽培 ~有機栽培・自家搾油・直売~
(出版社コメント)
オリーブをうまく育てるには? 経営として成り立たせるには? ~栽培から自家搾油、販売まで著者の経験を詳しく解説!~
手間いらずで儲かる新品目として注目されるオリーブ。しかし、「木が枯れてしまった」「何年たっても実がならない」「オイルの搾り方がよくわからない」といった声も。
本書では、脱サラで新規就農し、日本で初めてオリーブ栽培の有機JASを取得した著者が、確実に実をならせるための栽培のコツや病害虫対策、小規模な自家搾油所の作り方と搾油方法、ネット通販などのノウハウを丁寧に解説。
とくに、日本のオリーブ栽培で最大の難関となるオリーブアナアキゾウムシ対策は必見。昆虫少年だった著者が観察と実験を繰り返して、明らかにしたその生態をもとに、農薬を使わなくても、効率よく確実に被害を防ぐ方法を紹介。
まだ木が小さく実の収量が少ない時期の貴重な収入源になるオリーブ茶の作り方や、苛性ソーダを使わない安全な実のアク抜き法、ワイン漬けなどのおいしい実の加工品の作り方も多数紹介。
これからオリーブを栽培したい人、すでに栽培している人にも、ぜひおすすめの一冊。
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Q「オリーブアナアキゾウムシに開けられた穴が沢山」どうすれば?
【オリーブオイル】
【お茶・オリーブ加工品】
国内では唯一の有機オリーブ葉のみを使用した健康茶7つのこだわり
【その他】
去年は塩水で渋みを抜きましたが、食べ残して渋抜き始めてから1年たちビンのなかで
茶色に変色しました 食べてみたらオイルを含んだようなまろやかさがあり渋みも完全に
抜けていました(オリーブ感が薄れていて少し物足りないかな?) すっぱみもないので食べるのは問題ないでしょうか?(ご回答いただければ幸いです)
今年は味噌漬けと日本酒漬けに挑戦します
大変参考になりました
大河原公子さん
コメントありがとうございます。うちでも日本酒漬けは毎年作ります。味噌漬けは、どんな味噌と相性がいいか色々試してみたいですね。塩水漬けですが、冷蔵庫に入れて塩分濃度7%以上にして作ると、これまで腐るようなことはありませんでした。でも、一般の家庭で作ったものには細菌は必ずいます。ご自分の鼻と味覚で大丈夫かどうか確かめるしかないのですが心配でしたら湯煎したらどうでしょう。80℃くらいのお湯に10分~15分くらいが目安のようです。実の中まで熱が伝わっているかどうかが大切ですが最終的には自己責任でお願いします。
ご丁寧にありがとうございます。塩漬けオリーブは一年間冷蔵庫に入っていますが
湯せんして試してみます 有難うございました
大河原公子さん
うちもそろそろ食べ時になってました。そのまま食べるときは塩抜きするのですが、パスタとかに入れる場合は、ざっと洗ってそのままでも塩味が馴染んでいい感じになります。
「オリーブの塩漬けに初めて挑戦しています。重曹を入れて渋抜きしている時は冷蔵庫に入れるのですか?」というご質問をいただきました。
毎日、水替えするので常温で大丈夫です。
はじめまして。
今年なった実を半分グリーンオリーブとして収穫、残り半分をブラックオリーブで収穫しました。
グリーンの方は重曹でアク抜き、塩漬けにしてみたのですが、空気に触れてしまったせいか色味が悪くなり失敗しました。
ブラックオリーブのアク抜きを調べているのですが、こちらもグリーンと同じアク抜きの仕方で大丈夫でしょうか?
苛性ソーダを使ってみたいと思っています。
はじめまして!
苛性ソーダでの渋抜きは数回しかしていないので自信はないのですが、基本的な方法は同じです。しかし、実が熟している分、果肉が柔らかくなっているので苛性ソーダに漬ける時間を短くしてください。緑果の最低時間8時間より短いタイミングで渋抜きチェック。漬ける時間が長くなりすぎると、ぐずぐずになります。
ありがとうございます!
短めで試してみようと思います。
実の量が少なめなので、苛性ソーダ水1.8%濃度1リットル分に今日早速漬けました。
少しずつ真水で薄めながら水を入れ替えて廃液するのでしたら、普通に排水溝に流しても大丈夫な濃度でしょうか?
いろいろ調べていると中和した方がいいようにも書いてあり困ってしまいました。。
質問ばかりですみません。
苛性ソーダ水は強アルカリなので、そのまま排水溝に流すことはできません。必ず酸性のお酢で中和してから流すようにしてください。
小豆島では他の地域より多くの家庭で苛性ソーダを使ったオリーブの渋抜きが行われているため、中和処理を徹底するよう指導されています。
そのまま排水すると島の場合は浄化槽の水質が悪化したり、川に流すと川から海の水質を汚染することになります。
面倒だと思われる方もいらっしゃいますが、強い薬剤を使用する場合は最終工程まで責任を持つことが大切だと思います。
中和は薬局で販売している「日本薬局方 酢酸」もしくは食酢で行います。詳しくは下記小豆農業改良普及センターのページをご覧ください。
家庭で出来るオリーブ脱渋液中和の方法
http://www.pref.kagawa.lg.jp/shozu/nokai/topic/olivecook/kateishori.pdf
突然失礼します。昨年たくさん採れた(オリーブを育てて20年にしてはじめてでした!)オリーブを1年ほど濃い塩水につけて渋抜きをしました。そして薄めの塩水につけて、塩水を変えてを繰り返して塩抜きも済んだので、保存はどうしたら?と調べたのですが、これだ!というものがなく、困ってしまいこちらにたどり着きました。たくさんあるので、瓶に小分けして保存したいと考えています。よい方法があれば教えていただければありがたいです。それから、微妙に渋みが残っているのが気になっています。この時点でもう少し渋みを抜くことはできるのでしょうか? こちらも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
自家用としてうちで長期保管する場合は、6%の塩水に漬けて冷蔵庫で保管し食べる前に薄くした塩水で塩抜きをしています。
もっと長く保管する場合には種を抜いてペースト状にして冷凍します。もしくは乾燥器で乾燥させて冷蔵庫という方法もあります。
ただし、これは自家用の方法で雑菌が少し残っている場合もあります。商品として販売する場合は80℃のお湯に40分湯煎しています。
渋はお好みですが、完全に渋が抜けると渋以外のオリーブの旨味も抜けています。渋も少し残っているくらいが食べ頃なんですが、
食べにくい場合は、塩水に漬ける時間を長くするか、ピザやパスタなどの調理時に熱を加えると更に渋を感じにくくなります。
山田さま さっそくお返事くださり、ありがとうございます! 6%の塩水に漬ける。そうしてみます。これで長く楽しめそうでとてもうれしいです! きょうすぐにやってみます。そうですか、渋みばかりに気がいくとオリーブの旨味がなくなるおそれがありますか。アドバイスありがとうございます。オリーブは以前は苦手だったんですが、スペインやモロッコでその味に開眼していまは大好きです。我が家の木から実が採れてそれを食べるのは長年のささやかな夢だったのでしあわせです。お返事くださってほんとうにありがとうございました。
はじめまして。
昨年の11月から塩水漬けをしております。最初は常温保存しておりましたが、暖房を入れるようになったので冷蔵庫の現在保管しています。
この頃、塩水が茶色く濁ってきました。水は変えた方がよいのでしょうか?
変えるとしたら、ザルとかにあげて変えても大丈夫でしょうか?空気に触れない方がよいとのことなので。。。
何もが初めてでドキドキです。
いろいろお聞きしてしまい、申し訳ないです。
茶色く濁ってきた原因が、オリーブの色素が水に移ってきただけでしたら、うちでは水は替えません。ただし濁りの原因が腐敗であれば食べれらません。匂いで分かります。
ちなみに空気に触れないように気を付けるのは苛性ソーダ水や重曹水で渋抜きする場合に緑色の実の色を保つためです。長期間、塩水に漬けこむ場合はどちらにせよ色は落ちるので空気に触れても問題ありません。
山田さま。ご返信ありがとうございました。さっそく匂いを調べてみます。
初めてのオリーブの塩水漬けで心配でしたが、助かりました。
家の木になったオリーブを食することができることが楽しみです。
お忙しいところ、ありがとうございました。
こんにちは。私はここ10年くらいマンションのベランダで取れる少量のオリーブを重曹や塩のみ渋抜きを試みてきました。苛性ソーダのような薬品使いたくなかったので。当時、書籍はいくつかあったもののネットでの情報は少なく、かつ、グリーンのオリーブhs苛性ソーダを使う方法ばかりだったので、料理でも使う重曹で試みることにしました。でも、重曹も塩水もブラックの塩漬けもなかなか渋みが抜けず、一年つけっぱなしでもまだ抜けない(結構キツイまま)だったり重曹をやり過ぎると無味無臭なようになったりブヨブヨになってしまったりと、なかなか思うように出来ない状態を繰り返してきました。渋みは頑張れば抜けるのはわかってきたのですが、皮だけはどうしても柔らかくならず硬い状態で、一方実はブヨブヨに柔くなってしまったりし困っています。でも、渋みは体に良くないのか、どの程度抜けばいいのかと調べていたところ、このサイトにたどり着き、渋みの成分も分かり、皮も食べる前に熱を通したり炒めたりすれば気にならなくなるとのことが分かり、今年はそれを試してみようと思います!その他の食べ方もいろいろご提示頂き、アク抜きばかりにこだわらずにいろんな方法で食してみようという気持ちになりました❗️情報を提示してくださってありがとうございます❗️皮の硬さや実のブヨブヨに関して、何か他にアドバイスがあれば、頂けると嬉しいです。
長文で失礼しました。ついつい、長年の思いを書き綴ってしまいました。
重曹水での渋抜き、今年こそ美味しくできることをお祈りしています。なかなか難しいし手間も掛かりますが、その分うまくできたときは嬉しいですよね。オリーブも品種によって皮や実の硬さもマチマチですし渋抜きのときの気温なども影響します。渋抜きをしながら毎日、渋の抜け具合や実の硬さなどチェックしながら、ここだというところの少し前で、渋抜きを終えて塩水に切れ変えてみたらいかがでしょう。塩水に漬けているうちにもう少し渋は抜けますし、渋も完全に抜けるとオリーブならではの美味しさもなくなってしまいます。
ご返答ありがとうございます!とにかく、渋み(アク)が身体に悪いものではないことが分かったので、安心して適度な渋みも楽しみたいと思います。今ちょうどオリーブの花が咲いているので、少しでも多くの実がなるよう受粉してるところです!収穫が楽しみです!
初めてお便りします!
オリーブを植えて10年ばかり、当初なかなか実らず、別の木からの受粉が必要と知って、横にもう1本植えて、それでもなかなか実らず諦めていて、、、この夏剪定出来ず伸び放題になってた枝を、この台風一過の秋晴れの中、枝を落としてて、なんと5粒ほど、少し黒くなりかけた実を発見!!
いかにしたものか!
ネット検索して一番上にあったこちらのサイト❣️
こんな5粒ほど、、もう枝も落としたものですが、どうしたものでしょう!
お酒につけるのが一番手っ取り早いですか?
なんだか、嬉しくて、なんとかしたい!と言うきもちです。
半分色づいたものばかりですが、、
アドバイスお願いします!
それと、もう4メートルぐらい大きくなる木になっているのに、実らないのは受粉が下手なのですよね?
お酒でもいいですし、塩に漬けるだけでも簡単でいいかもしれません。受粉しないとのことですが、花は咲いていますか?元の木と新しく植えた木に花が咲いているか。それと新しい木の品種は元の木と違いますか。10年経つと普通は1本の木から10kgくらいは実を収穫できます。受粉ができないというより栽培管理に問題があるケースが多いのですが木は元気ですか。もしくは元気すぎても実が付かないこともあります。情報がないのでこれ以上は何とも申し上げられません。
はじめまして!
今朝お家の向かいの方の立派なオリーブの木から沢山黒いオリーブの身がついていたので、もったいないということで、何か作ってということになり、1キロ収穫してきたところです。らっきょや生姜の甘酢並みに気楽に作れるのではともらってきたものの…検索すると難しそう。。
しかも、色がもうピオーネのような色なのです。
渋いと書かれていたので、ビックリして試食すら恐怖なのですが、頂いてしまった以上、何か作って持っていかないとという焦りと、捨てるわけにはいかないので、この1キロどうすればいいか教えてください。。
塩漬けか、重曹でアク抜きする方法いくつか読みましたが、この時期に採れたピオーネ色のものがどれに当て嵌まるのか、渋みが少ないものなのかさえわからないので、重複させてしまうかもしれませんが、教えて頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。
熟れ具合あまり気にしなくてもいいと思います。早くできるのは手間は掛かりますが重曹水や苛性ソーダでの渋抜きです。簡単なのは塩水漬けやアルコール漬けです。半年くらい時間は掛かりますが漬けとくだけなので簡単であまり失敗しません。
今日初めてオリーブの実を獲りました。30粒で少しですが、重曹で渋抜きをしようと思っています。
種取り器がないので、種はそのままです。
セラミックの包丁でワザと傷をつけて、重曹につけるのですか?。
果皮があると重曹水が果肉に沁みていかず結果、なかなか渋が抜けません。なので皮を適度に傷つける必要があります。
庭でとれたオリーブをこちらのサイトを参考にしブラックとグリーンを重曹で塩漬けを作ってみました。
味はよかったものの、ブラックのほうが特にまだらな模様だったり黒みがぬけてしまい見た目が悪くなってしまいました。全て穴はあけてます。重曹の方法はブラックは適してないのでしょうか?
黒い色のオリーブも完熟になる前は色が斑になることがあります。また品種によりますが完熟になっても黒い色が落ちることもありますので商品として販売するには難がありますが自家用でしたら堅いグリーンの実と違った風味が楽しめると思います。
ありがとうございます❗とても参考になります。完熟をつかうか色も気にするのであれば他の方法が良さそうですね!苛性ソーダは使えないので塩漬けでしようと思います!
初めまして。
今まで庭のオリーブでオイルを搾っていましたが、今年は豊作だったのでこちらのサイトを参考に塩漬け・塩水漬け・ワイン漬けを試してみました。
一週間が経過したのですが、塩漬けは水が出て、その水が糸を引いているような(少し粘り気があるような)感じになりました。
腐敗が始まってしまったのでしょうか?
もしそうであれば、常温保存がダメだったのでしょうか?
実を漬けるのは初めてで、不安です。
まだこれから収穫するものもあるので、どうか宜しくお願いしますm(__)m
はじめまして。見た目や匂いが腐敗しているようでしたらそうかもしれません。気温が高いときや、実の水分が多いときに同じようなことが腐敗する可能性が高まるようです。実が空気に触れていなくても腐敗するようでしたら冷蔵庫保管が良いかと思います。
お忙しいなか、お返事ありがとうございます。
見た目や匂いは腐敗しているような様子が無さそうなのでもう少し様子を見ることにします(*^^*)
これから収穫するものは冷蔵庫に入れる事にします、ありがとうございましたm(__)m
はじめまして。
YouTubeで料理動画を公開している者です。
初めて生のオリーブをいただいて、処理方法を調べたところ、このサイトにたどり着き、重曹での渋抜きを参考にさせていただきました。
動画の説明欄に、山田オリーブ園さんのサイトを参考にしましたという記述を入れました。差し障りがあるようでしたら、ご一報ください。(動画: https://youtu.be/tj3VlkMZQIg)
初めてメッセージさせていただきます。庭で採れたオリーブの実を使って搾油に挑戦してみました。
たったの200g、黒多めで少し緑もあり、品種は不明です。10ccでもとれたらうれしいな!と思ってやってみたのですが、油分が分離できずみごとに失敗しました。その後調べているうちにこちらのサイトにたどり着いた者です。
「楽をしようとしてミキサーなどを使うとほぼ失敗する」の文章を見つけて冷や汗。なぜなら楽をしようとしてミキサーを使ったからです。
プロの方は機械で実を粉砕しますよね。。家庭ではなぜミキサーでは失敗するのでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですが、ご指南いただけますと今後の勉強になります。どうぞよろしくお願いいたします。
「なぜ家庭用ミキサーではオリーブオイルを搾油することができないのか?」とても本質的な疑問です。あまりきちんと考えたことはありませんでした。なのでミキサーで搾油がうまくいかない理由を専用の搾油機、手搾りとの違いを考えながら推測してみると2つ考えられます。オリーブオイル専用の搾油機の工程は3つあります。1.実の破砕→2.練り込み→3.シリンダーによる油分の分離。多分1つ目の理由は、破砕された実から出てきた小さな油分の粒子が繋がって大きな粒になる2.練り込み工程がミキサーには無いというのが考えられます。つまりミキサーで実を破砕するだけでは油分を分離できる塊りになりません。なので、ミキサーで破砕した後に、袋に入れて手で練り込むと或いは油分が分離される可能性はありそうです。しかし、注意しないといけないのは、2つめの失敗の理由、乳化です。ミキサーで細かく破砕して高速の刃で混ぜ続けると水分と油分がくっつく乳化が起こり分離ができなくなる可能性があります。これは搾油機でも破砕する実のサイズを小さくしすぎるとマヨネーズのように乳化してオイルを分離できなくなるので同じ現象が起こる可能性があります。このあたりの原理と改善策が分かれば、家庭でミキサーを使って簡単にオリーブオイルを作れるようになります。オリーブオイルも搾れる家庭用ミキサーを販売したらそれなりに需要はありそうです。
庭オリーブの木に実がついていたので、オリーブ油を搾取しようと10個ほどやってみたら、ジップロック擬きの袋が破れてしまいました。苦笑
うちのオリーブの実を測ると、オリーブの実は5gありました。
測るとオリーブ油大さじ1杯は13gでした。
5%搾取できれば上等とサイトにあり…計算したらオリーブ1,040個で大さじ1杯のオリーブ油なのでしょうか⁈
我が家のオリーブの木は50個も実がないので…全部取って頑張ってみても大さじ1杯どころか、小さじ1/2も無理なんだなぁと。
オリーブ油の作り方を公開していただきありがとうございます。
オリーブ油にオリーブに対して感謝の気持ちがいっぱいになりました。
1,040個×5g=5,200g
5,200g×5%=260gということになりますので大さじ20杯分になります。
50個ですと
50個×5g=250g
250g×5%=12.5gですのでおよそ大さじ1杯分になりそうです。ぜひあきらめずに50個の実で搾った貴重なオリーブオイルをパンに付けて味わってみてください。
お返事ありがとうございます。
丁寧に教えていただきありがとうございます‼︎頑張って作ってみます‼︎
今年初めて塩漬けにチャレンジしております。1番大変な毎日の水道水の水換えを昨年の11月17日から毎日忘れる事なくしております。500個程有るかと思いますが初めは綺麗なグリーン色のは今では薄茶色っぽくなってきました。
塩漬けに移行するには不安が有ります。せっかくですから成功させたくお尋ねいたします。
周りの知り合いが出来上がりを楽しみに待っておりますので長期の保存は無いかと思います。期待に応えられる美味しく漬けたいのですが水何リットルに対して塩の量は何グラムのが一番いいのでしょうか?
五本のオリーブの木から採れました。
宜しくお願い致します。
小豆島で一般的に販売されている塩水漬けの塩分濃度は3~4%くらいです。これくらいがそのまま食べれる濃度ですが、販売するときはパック詰めした後に煮沸し殺菌することを前提としています。6%くらいまで濃度を上げて冷蔵庫で保管するとすぐに食べなくても大丈夫です。食べる前に水に漬けて塩抜きしてから食べてもらうことになりますが。すぐに食べるなら4%くらいでしょうか。
[…] 1)重曹で渋を抜く […]
動画、コメントのご指導ありがとうございます
台風の来ない内に収穫して、色々と試したいです。
今日は種ぬき器を早速買いに行って来ます。
今後ともにご指導お願いします。
はじめまして。
苛性ソーダによる渋抜きについて質問です。
今年は種取り器を買ったので、先に種を取って苛性ソーダに浸けてしまいました。
この方法では食べるのは危険でしょうか?
種を取らずに渋を抜くよりもくたくたになってしまい、完熟したオリーブは緑色になってしまいました。
もし食べられるのなら、このまま水換えを続けて塩漬けにしようと思っています。
ご存知のようでしたら、教えて下さい。
はじめまして。
種があるもの同様、3日ほどしっかり苛性ソーダを流してやれば危険ということはないと思います。うちでは、食感は柔らかくなりすぎた場合は、スパイス類を加えてペースト状にしてしまいます。オリーブの塩漬けの風味がするオリーブペースト、パスタの上に乗せても美味しくて僕は案外、普通の塩漬けより好きです。
返信、ありがとうございます。
ほんの250gほどですが、オリーブを捨ててしまわなくて良かったです。
現在も洗浄を続けています。
柔らかいオリーブを使ったレシピも教えていただき、ありがとうございます。
ペースト、とってもおいしそうですね!
試してみます。
こんばんは。イタリアよりお便りします。
庭にオリーブの木があり、実がいっぱいなっています。
去年は南イタリア出身の友人のアドバイスで
「水を毎日代える」という方法で渋を抜きましたが
めちゃくちゃ大変でした。
あまりに大変で効率が悪かったので、てっきりこの友人が
考えた適当な方法だったんじゃないかと疑い
ネットで検索してこちらに辿り着いた次第です。
なんと、基本的な方法だったんですね(笑)
今年は記事を参考に塩に漬けてみようかなと思っています。
特に質問はないんですが
「オリーブの実を食べて丸々に太ったハマキムシを生のまま畑で食べてみました」っていうのが余りに面白くて
思わずコメントしました(笑)
おはようございます。こちらはいよいよ収穫終盤戦、毎日収穫&搾油してます。水替え方式なんでしたら一番大変ですよね。塩に漬けてひたすら待つが一番、楽で塩抜きさえできれば美味しいです。ハマキムシは美味しいとまでは言えませんが。
こんにちは、
1年間アルコール漬け(ブランデー、焼酎、ラム)を試してみました。渋はちゃんと抜けていておいしいのですが、そのまま食べるとアルコールが強すぎます。アルコールから出してハチミツに漬けようかと思っています。
しかし、母が試しに赤ワインに漬けていたものをハチミツに漬けたところ、「ハチミツ大根シロップ」のようにオリーブの実がしわしわに固くなって、水分が全部シロップに出てしまったそうです。
糖分に漬けるとき、なにかコツはありますか?
うちでもハチミツではなくメープルシロップを使いますが、お酒を少し残して味を付ける程度にシロップを加えます。そうすると実がしわしわにはなりません。お試しください。
[…] 山田オリーブ園 家庭でオリーブの実を美味しく食べる12の方法 […]
[…] 山田オリーブ園 家庭でオリーブの実を美味しく食べる12の方法 […]
はじめまして。
家の庭で緑のオリーブがたくさん実ったので、こちらのhpをみて塩漬けにしました。種をとり、ガラス瓶に入れ塩を2%いれ、瓶をふって常温で保管しました。1日経ちましたが半分くらい黒くなっています。これで大丈夫でしょうか。塩は取り換えるか?冷蔵庫に入れた方がいいのか?黒くなったのは失敗なのか?わからないことだらけでして…・。アドバイスいただけますと幸いです。
すみません収穫繁忙期のため返信遅くなりました。今回は間に合わないかもしれませんが来年の参考に。塩分濃度は少なくとも7%以上で冷蔵庫に入れた方がいいです。4)塩水で渋を抜くを参考にしてみてください。
はじめて投稿させていただきます。
オリーブの種抜き器を購入しようと思いアマゾンで見てみましたが、レビューを読んでいるうちにどれが良いのかわからなくなってしまいました。おすすめのものがあれば教えて下さい。
よろしくお願いします。
Amazonで購入できます。記事の最初の方にリンク貼り付けました。
早速のお返事ありがとうございます。
ワイン漬けにトライしてみます。
オリーブの種抜き器はどこで購入できますか。
Amazonで購入できます。記事の最初の方にリンク貼り付けました。
多彩な情報、ありがとうございます。
私も、オリーブの木:3本を植えたところ、それぞれにかなりの実をつけています。
その実が、日々大きくなっています。
その実を、どうにかして食べてみたいなぁと検索したところ、このサイトに遭遇しました。
1.「渋柿」などは、「焼酎」で渋抜きしますが、どうなんでしょう?
2.「渋抜き」すると、「ポリフェノール類」が失われてしまうとのこと、残念ですが、
仕方がありません。(重曹でやってみようかと思っております)
ということで、有益な情報を掲載して頂きありがとうございます。
9月になって実をとって漬けようと思います。
黒く熟れる11月12月の方がいいでしょうか?
小豆島で作っているグリーンの実の渋を苛性ソーダで抜くなら10月頃、薬剤を使わずゆっくり渋抜きするなら熟れて黒くなってからの方が良いです。
はじめまして。とても参考になる情報が盛りだくさんで、ありがとうございます。
オリーブを植えて数年経ち、今年からかなりの量が収穫できそうなのですが、種を一つ一つ取るのにどの程度の時間が必要なのか気になっております。
山田さんの農園では、1時間で何キロくらい処理してらっしゃいますか?
ご紹介の器具は便利そうですが、手が疲れそうですね。ひとりで作業すると何時間が限界…など、感覚を教えていただけないでしょうか。
1時間に4kgくらいのペースでしょうか。実の付き方や品種などによって前後しますし収穫する人の腕にもよりますが。でも、年間を通してのオリーブ栽培の作業の中ではどちらかというと楽しくて身体が慣れればそんなに疲れません。明るい時間は休み休みですがやってられます。
お返事が遅くなってしまい、すみません。ご親切にありがとうございます!
1時間に4キロも処理できるとは、すごいですね。握力が鍛えられそうです(笑)
取り除いたタネは、なにか使い道がありますでしょうか?
握力はほとんど必要ないです。根気さえあればww
種は炭にすると消臭剤になるし、そのまま庭に蒔けば実生のオリーブが生えてきます。
[…] 1)重曹で渋を抜く […]
はじめまして。貴重な情報を掲載して頂きありがとうございます。
オリーブを育てて15年程になりますが、今年は初めて搾油に挑戦しようと思います。
いつもは塩漬けですが、今年はどういうわけか豊作で、数が揃いそうです。
こちらでご紹介の方法と、「搾れると信じ続ける気持ち」に勇気を頂きました。
さて質問させていただきたいのは、実がシワになる件です。
真夏に水不足を起こすのが原因になるのは承知していますが、
10月も下旬になってから、黒い実がシワになる原因は何でしょうか?
土には適切な湿り気があり、病害虫も実の痛みも見当たりません。
木全体の実ではなく、ところどころです。
そして、このような実を搾油に使っても構わないでしょうか?
お忙しいとは存じますが、お返事頂ければ幸いです。
東向きのベランダ、鉢植え、レッチーノ、樹高150cm、樹齢20年位
実の状態によってマチマチですがしわしわになった実の一部は雨が降っても戻らないものはあります。実を割ってみて柔らかい部分があれば搾油できます。水分が少ない分、搾油率は高くなるので問題ありません。
シワになった実は、柔らかいままです。
搾油に使えるとわかって、ちょっとホッとしました。
11月に入ったら、収穫します!
お返事ありがとうございました。
茨城県に在住しています。本日、近所の農産物直売所で、初めて生のオリーブの実が売られているの見て、思わず購入しましたが、どう調理して良いか調べていて、こちらのブログに辿り着きました。とても丁寧で詳しい解説が書かれていて、感動しています。早速どれかの方法でトライしようと思っています。ありがとうございます。
[…] 家庭でオリーブの実を美味しく食べる12の方法 https://organic-olive.com/recipes/1513/#b […]
こんにちは。こんなに詳しく、オリーブについて書いていただきありがとうございます。塩水漬けをやってみようと思うのですが、水は何を使っていらっしゃいますか?水道水がよいでしょうか?それとも煮沸した水がよいでしょうか。
水道水で問題ありません。
初めまして、こんにちは
こちらでご説明いただいている1)の重曹を使ったオリーブの渋抜きを実践しているところです。種付きのまま始めたのですが、ご説明では種ありなら半月程度渋抜き期間が必要と記載されていたにもかかわらず、うっかり10日程度で塩漬けをスタートしてしまいました。塩漬け3日目(9%)ぐらいに味見してみたところ、少し苦味を感じました。もう一度重曹の渋抜きに戻った方がいいでしょうか?
少し苦みがある程度でしたら、そのまま塩漬けにしたまま冷蔵庫で保管し、食べれる程度に渋が抜けるのを待ってみたほうがいいです。塩分濃度もう少し濃くした方が腐敗の可能性が減るのでおすすめします。
先程のコメントで塩漬けの濃度を間違えて書きました。正しくは、現在の塩分濃度3%です。
山田さん、ありがとうございます。
山田さんが掲示なさってる12の方法に啓示を頂き、
13番目の方法で今年のオリーブを2週間前に仕込み、
いま食べて見てイケル味だったので、
お礼を込めてご報告…
種を抜いて植物性乳酸菌+塩水に漬け、
2日間室温で発酵させ(炭酸ガスがブークブク)、
その後冷蔵庫野菜室。
渋抜きしただけでオリーブのピクルスができました。
(植物性乳酸菌+塩水=糠漬けの上澄み液です)
この季節、新大阪駅で毎年買っていた
「緑のカリカリ・オリーブ」にはなりませんが。
発酵と塩水、とてもいい方法ですね。しかもヘルシー!
ありがとうございます。
ほんと美味しいですね、刻んでコールスローに入れただけで別格の味、コクが出る。含まれるオリーブオイルのパワーかな。
ところで、抜いた種が1kgほど乾燥させてあります。
何か活用方法ご存知でしたら教えて下さい。
蒔いておいたら実生のオリーブが生えてきます。
[…] 山田オリーブ園さんのこちらのページにある動画(Marin’s Single Kitchen Marinさんの動画)を参考にし、オリーブの渋抜きから塩漬け、味噌漬けを行いました。成功する自信がなかったので […]