小豆島の有機オリーブ農家がおススメするオリーブのコンパニオンプランツ
目次
- 一般的にはオリーブ畑にコンパニオンプランツはNG
- コンパニオンプランツを積極的に取り入れるメリット
- コンパニオンプランツを取り入れるデメリット
- 最初に植えたコンパニオンプランツ センチピードグラスについて
- オリーブのコンパニオンプランツとして適していそうな芝8種類を育ててみる
- うまくいかなかったヘアリーベッチ
- シロツメクサ(クローバー)とオリーブの出会い
- そして畑に草花が咲き始める
実際の畑の動画を20:30~28:00頃にご覧いただけます。
NHKワールド JAPAN FROM ABOVE~空から見た日本~中国と四国の旅
一般的にはオリーブ畑にコンパニオンプランツはNG
小豆島でオリーブの有機栽培を始めて10年目になります。
この10年、オリーブと相性の良いコンパニオンプランツを探し続けてきました。
私のようなオリーブ農家にとってのコンパニオンプランツとは、最高のエキストラバージンオリーブオイルを1滴でも多く搾油するために、オリーブと一緒に育てる植物のことです。
基本的に小豆島のオリーブ栽培で推奨されている方法は清耕栽培です。清耕栽培とは果樹以外に下草は全て除去して表土を露出させる方法です。
清耕栽培は、耕運機などで土を耕うんし雑草を除去したり除草剤で草を枯らすことで、オリーブなどの耕作対象の果樹の害虫を減らしたり、肥料をより多く果樹に届けたり、農薬の効きを良くしたりすることが可能です。ちなみにオリーブの除草剤として使用されているグリホサート(ラウンドアップ)は、発がん物質の可能性があるとして長年、世界各国でその是々非々が争われており使用が認めらていない国と毒性はないとして使用が可能な国があります。日本は毒性はないというのが現在の結論です。
つまり、日本のオリーブ栽培においては、効率的に農薬及び除草剤の効きを高め、肥料をより多く果樹に届ける方法として清耕栽培が推奨されており、生産農家の果樹園ではオリーブ畑にコンパニオンプランツといった草花を植えることはありません。
しかし、うちの畑では清耕栽培と真逆の草生栽培という方法でオリーブを育てています。
草生栽培とは、果樹の下草つまりコンパニオンプランツを積極的に取り入れる方法です。最初にコンパニオンプランツを積極的に取り入れる草生栽培のメリットとデメリットをカンタンにまとめてみます。
コンパニオンプランツを積極的に取り入れるメリット
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下草を生やすことでオリーブを食害する害虫の天敵(益虫)が増える。
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下草が枯れて有機物となり土が超える。下草の根で土壌の物理性が改善する。
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下草が表土を覆うことで台風などの大量の雨水が流れても土の流出を軽減できる。
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緑色の下草が覆う景観は美しいと感じる人がいる。
しかし、うちの畑で草生栽培をしている一番大きな理由は有機栽培でオリーブを育てているため。
農薬を使用する替わりにコンパニオンプランツに集まる益虫に害虫を食べてもらっており、チッソ・リン酸・カリなどの3養分を多く含んだ化学肥料の替わりに枯れた下草が有機物としてオリーブの養分になっている。
しかし、コンパニオンプランツを取り入れる草生栽培のデメリットもある。
コンパニオンプランツを取り入れるデメリット
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益虫も増えるが害虫も増える。
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土壌中の養分を果樹とコンパニオンプランツで奪い合う。
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果樹や野菜を育てるようにコンパニオンプランツを栽培管理する手間が掛かる。
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雑草が茂っている畑は農家として恥ずかしい。
「益虫も増えるが害虫も増える」について、もう少し詳しく書きます。旺盛な下草には沢山の虫たちが畑の外から集まり、増えていきます。そして、その大部分99%以上の虫たちは下草の中でオリーブとは関係なく暮らします。1%未満の虫、例えばハマキガなどの害虫が下草の中に潜み、オリーブの葉に卵を産み付けます。そして、その卵から孵化したハマキムシを食べるクモやアシナガバチなどが下草に暮らす虫たちを食べるついでにオリーブの害虫を食べてくれます。
多くの虫たちが暮らすことでオリーブ畑に活発な食物連鎖が起こります。これがコンパニオンプランツを取り入れる草生栽培の目的です。
つまり、害虫が増える分オリーブの被害も増えますが、時間とともに益虫が害虫を食べることで被害は自然に終息していきます。少々オリーブが虫に食べられても構わないというのが草生栽培の前提です。少しも食べられたくない、もしくは虫そのものが嫌いで自分の畑にいてほしくないということであれば、草生栽培は向きません。清耕栽培にして農薬をきちんと効かすことをお勧めします。
農薬を使用しているのに草生栽培という畑を見かけます。ただ単に草刈りが不十分な畑ということかもしれませんが、これは清耕栽培と草生栽培のイイトコドリではなく悪いとこドリです。虫を多く集めその虫を殺しています。農薬の効きが悪いだけでなく、無駄な殺生をし続けています。化学肥料も下草に吸収されるため、果樹の養分も減ります。つまり、より土壌中の養分を果樹とコンパニオンプランツで奪い合うことになります。肥料を吸った下草は旺盛に繁茂し、更に虫を集めまた農薬で殺します。農薬と化学肥料を使いながらの草生栽培は負の連鎖を起こしている最悪の栽培方法だと思います。
「果樹や野菜を育てるようにコンパニオンプランツを栽培管理する手間が掛かる」というのは草生栽培の最大のデメリットです。つまり、除草剤などで一気に草を枯らすことに比べ多くの労力が必要になり非効率です。コンパニオンプランツを栽培する手間がオリーブの栽培以上に掛かるようでは本末転倒です。
可能な限りコンパニオンプランツの効果を最大化させつつも、手間を最小化することができるかが、草生栽培の重要なテーマになります。どのような種類のコンパニオンプランツを栽培し、どのような管理が最適かを本ブログでは、この10年の変遷に沿って説明していきたいと思います。
閑話休題
「雑草が茂っている畑は農家として恥ずかしい」ということについて。
「上農は草を見ずして草を取る。中農は草を見て草を取り、下農は草を見て草を取らず。」という農家の価値観を体現する諺があります。この本旨ではありませんが、どちらにせよ草は取れよ、というのが前提です。最近、一部の農家で行われている草生栽培は、この厚い価値観の壁の前で立ち尽くすことが度々あります。草がボーボー生えている畑の農家は、野菜をきちんと収穫できないダメな農家です。無農薬リンゴの木村さんあたりから少し風向きが変わってきた気もしますが、あのお話しが好きなのは都会の人たちで、田舎ではなかなか通用しません。草生栽培と言っても、どのようなコンパニオンプランツをどのように生やすか選び草刈りはするので、草を見て草を取る中農だと思いますが、畑の周辺住民の理解を得るには時間が掛かります。少なくとも畑を貸してくれている貸主さんにはキチンと草を生やすこと、生やす理由を説明し理解してもらはなくてはなりません。貸したら草を刈らないでほっぽらかしにされたと受け取られると、早晩、返せということになります。丁寧に説明しましょう。
最初に植えたコンパニオンプランツ センチピードグラスについて
2010年6月。
東京から小豆島に移住してきて畑を借りオリーブの苗木を植えてから4カ月が経ったころ。
オリーブ畑には草1本生やしてはいけないという先輩農家からのアドバイスをいただき、ひたすら手で草を抜いていた。たった1反少々の畑だったけど、気温が上がるにつれ雑草の勢いに押され続け、6月頃には、農家とはこんなに草ばかり抜き続ける仕事だったのかと、少々うんざりしだしたこともあって、何か方法はないだろうかと考えて思いついたのがカバープランツだった。
2010/6/17blog小豆島でオリーブを育てよう!より
「しゅぎょう しゅぎょう」と口ずさみながらやっていたが、すぐに分かった。これでは冬まで、草抜きばっかりやり続けることになる。それに僕は意気地がない。でも農薬は使えない。さて、どうするか。草ボーボーなるようになれ!と開き直るのも手だが、小心者なのでいろいろ考えた結果、グランドカバーという手である。まあ、芝を貼ってみるということ。いきなり全部と言うのも恐いので盛り土した木の周りだけを試すことにした。
センチピードグラスの改良種「ティフ・ブレア」という芝を試すことにする。繁殖力が強いというのとアメリカの論文でゾウムシの忌避効果がある(かも?)という特徴が紹介されていたので。まあ、そこまでは期待しないが雑草の手間が少しでも軽減できれば良しである。まずは10本分の木の根元に蒔いてみる。
センチピートグラスというアメリカ生まれの芝を雑草を押さえるためにコンパニオンプランツというよりカバープランツとして導入することにしたことが記録されている。
センチピートグラスの種を撒くと時期も良かったのか、すぐに芽が出始める。
種を撒いて1カ月後。きれいに生えそろう。
オリーブの根元に草が掛かるとゾウムシの捕獲がしにくいので周りに生える草は手で抜き、オリーブの周辺の盛り土はセンチピートグラスで覆い、その外は耕運機で耕して草を抜いてしまうというのがオリーブを植えた年の初期の草生栽培。これを草生栽培と言っていいのなら。
それから1年。オリーブの周りをどんどんセンチピートグラスが覆っていく。
繁殖力が強いセンチピートグラスはどんどん畑を覆い背丈も伸びばしてくるので頻繁な草刈りが必要になり始める。このあたりから少し疑問がよぎる。
少々強すぎないか?というか、ヘタすると雑草より草刈りの回数が多くないかという疑問。
2年目に苗木を植えた西城の畑にはセンチピートグラスを植えずに自然に生えてくる雑草を刈っていたのだが、こっちの方が手間が少ないという事実に気づき始める。
しかも、センチピートは勢いが強すぎてオリーブの成長が遅れている気もする。土の中で養分の奪い合いが起こっている可能性もある。
そこで3年目、センチピートグラスは勢いが強すぎるので、もう少し弱めの芝でオリーブと相性のいい芝の品種を探してみようと思いつく。
オリーブのコンパニオンプランツとして適していそうな芝8種類を育ててみる
2013/10/4blog小豆島でオリーブを育てよう!より
この猫が写っているのは西城の畑でオリーブを植えてから今年で3年半の畑。1mくらいだった苗木も3mくらいの成木になってオリーブ畑らしくなってきた。そして畑の下を覆うグランドカバープランツである芝は自生のものである。自生というのは芝を買ってきて植えたり種を蒔いたりしたのではなく、ひたすら草刈りを続けていたら、このあたりに自生していたであろう野生の芝が地面を覆ってきた。といっても背の高い雑草は相変わらず生えてくるので定期的な草刈りは欠かせないけど、それでも小豆島のこの土地に生き残ってきた野生種の芝ならではのタフさと美しさがあると思う。うちの畑は基本、草生栽培でカバープランツは芝なのだが、これから新しい畑を開墾するときは、1年くらい自生の芝が生えてこないか待ってみて、ダメだった芝の種を蒔いてみようと思う。ちなみに、自生の芝が生えるのを何年も待っても種を蒔いても芝が生えてこない畑というのもあって、芝というのは好き嫌いが結構、激しいんだなというのが現時点の僕の印象。奥が深いぞ有機栽培の芝選び。
アメリカの強すぎる芝ではなく、日本に自生する芝が良いのではないかと気づき、違う芝を植えることを思いついたみたい。今振り返ると、なぜそんなに芝にこだわっているんだろうと我ながら不思議な気がするが、思いついたら猪突猛進。
それまで芝のことなんてほとんど考えたこともなかったけど、芝と言っても種類が沢山ある。
当時ざっと候補としてリストはこんなところ。
タフさ、育てやすさ、雑草を押さえるアレロパシーの強さ、匍匐茎(ランナー)の有無、草丈、夏芝、価格、種の有無などなどで比較してセンチピートと合わせ8品種を植えてみる。
- リビエラ
- サバンナ
- ゼニス(ノシバ)
- TTS(ノシバ)
- スパイダーLS
- ターヒール
- ダイカンドラ
- センチピードグラス
※ダイカンドラは芝ではなく日陰にも強い丸葉のカバープランツ。
結論。
芝の勢いが弱いと雑草に負けてしまい、強すぎるとセンチピートのようにオリーブの養分も奪ってしまう。そして管理の手間は、どの芝もあまり変わらず大変である。
コンパニオンプランツとして役に立たなかったので、この芝選びは工程は割愛しましたが、実は何年にも渡る膨大な労力が使われてこの結論に至っています。
では芝以外にオリーブのコンパニオンプランツはないのだろうか?という疑問。
チッソ固定率が高いと言われているマメ科のヘアリーベッチ、緑肥の代表格、土を肥やす草として従来より植えられてきたシロツメクサ(クローバー)を試してみる。
うまくいかなかったヘアリーベッチ
先に失敗したもの。写真はヘアリーベッチではなく同じマメ科のカラスノエンドウ。この写真と同じ問題が起こる。
ヘアリーベッチは紫の花を咲かせるマメ科の植物の根にできる根粒菌がチッソ固定をしてくれるという優れもの。
最大の問題は、オリーブアナアキゾウムシが最も多く発生する梅雨前後に繁茂し、マメ科特有の巻きひげでオリーブに巻き付き根元を見えなくしてしまうということ。オリーブを枯らしてしまう最大の害虫オリーブアナアキゾウムシを捕獲しにくくしてしまう雑草より、やっかいな草になる。
使えない。ちなみにもう1つの問題は、梅雨時以外は弱弱しくカバープランツの役目を果たさず徐々に消えてなくなってしまいます。困った特徴ですが、繁殖力が強いと駆除するのが大変だったので不幸中の幸いだったのかもしれません。
シロツメクサ(クローバー)とオリーブの出会い
緑肥として従来より植えられてきたシロツメクサ(クローバー)。
シロツメクサの最大の強みは、どんどん育って枯れるので土が肥えていくスピードが芝類より圧倒的に早い。かつ虫も多く呼ぶ。
このシロツメクサを試したことによって、これまで雑草を押さえるカバープランツとしてしか見ていなかった下草の役割が、土づくりと益虫を呼び込むコンパニオンプランツとして大切な役割を果たしてくれるに気づくことになる。
しかし、ここで新たな問題が。
シロツメクサは暑さに弱いということ。早春や秋には畑を覆うが夏や冬は薄くなっていく。
そして、なぜか畑の環境との相性で、うまく生える畑と全く生えない畑、生えても斑に生える畑など、全面をきれいに覆うように管理することは、難しいことが分かってくる。
つまり、シロツメクサはコンパニオンプランツとして益虫を集め、土を育てるが、人間がコントロールしにくい。
管理できないということは、オリーブのコンパニオンプランツにならないと諦める。
そして畑に草花が咲き始める
センチピートグラスから始まりシロツメクサで終わったコンパニオンプランツ探しを諦めた早春、シロツメクサの間に小さな青い花が咲き始める。
早春の冷たい風に揺れるオオイヌノフグリ。
こっちは小さい小さい白い花。ハコベ。
右はハコベ。左はオオイヌノフグリが群生している。
紫色の五弁の花。スミレがそこかしこに咲いている。
春の気配が濃くなればアブラナ。
タンポポが畑を覆っていく。
タンポポに引き寄せられる蝶。
カタバミに産卵するヤマトシジミ。
ショウリョウバッタ。
シロツメクサに小さなアブラムシ。
オリーブの花にやってきたカゲロウ。
オリーブの実を守るアマガエル。
人間が捕獲したハマキムシを横取りにきたクロスズメバチ。
収穫を迎える頃にはヒガンバナにピンクのカタバミが咲き乱れる。
人間がコントロールしやすく手間が掛からないコンパニオンプランツを探すのを諦めたら、小豆島の自然の中で生き続けてきた雑草が色とりどりの花を咲かせながら覆っていく。
もともと、島で逞しく生き抜いてきた雑草たちは環境に合っているので手間なんか掛けずに勝手に育ちやすい場所で育っては枯れて土を柔らかくする。
もともと、その草花をねぐらにしてきた虫たちも、当たり前に集まり増えて豊かな食物連鎖の小宇宙を作っていく。
長い年月を掛けて色々な草の種を撒いて育ててきたけど、全部を止めたら、そこに答えがあった。
その畑に自然に生えてくる雑草と呼ばれる多様な草花こそが最高のコンパニオンプランツだった。それがオリーブを育て始めて10年目の結論。
それにしてもこんな結論に至るのに10年も掛かってしまった。なんだかだいぶ遠回りした気がするけど仕方ないか。
【後記】
しかし、小豆島の自然の中で逞しく生きている雑草を、そのまま全てオリーブ畑に受け入れると、異国の地から連れてこられた果樹作物であるオリーブは生存競争に負け、数年後には全て枯れてしまいます。その場所に生息する草花を受け入れる草生栽培ですが、何もしない放置栽培とは違います。例えば、畑全体は草花で覆ってもオリーブの根元周辺の草は全て抜きます。また、冬に枯れてアレロパシーが強い野芝類、痩せた土に群生するエノコログサなどのイネ科の仲間、草刈機にからまり作業効率を著しく低下させるクズやヘクソカズラ、丈が高すぎて視界を遮るセイタカアワダチソウなどなど生えてほしくない草花も多く存在します。
全ての草花を受け入れるのでなく、好ましい草花に増えてもらい困った草花は徐々に減ってもらうような管理は必要です。そのためには、月に数回の草刈りや手作業での草抜きが必要になります。そういう意味では、草生栽培は清耕栽培より手間が掛かります。しかも、その努力は数か月サボるだけで、あっという間に草生栽培の畑から、ただの藪に変わってしまい、もとに戻すのに数年が掛かります。
いつか、オリーブ畑の草生栽培として好ましい草花とそうでない草花のこと、そして具体的な管理の方法について書いてみたいと思います。
□
文と写真 山田典章
オリーブ専業農家。香川県小豆島の山田オリーブ園園主。1967年佐賀県生まれ。岡山大学農学部を卒業後、会社員時代の約20年間に保育園事業などの6つの事業に携わる。2010年に小豆島に移住し、子どものときに好きだった虫捕りが毎日できる有機オリーブ農家になる。好きなものは虫と本と日本酒。オリーブ栽培としては初の有機JASに認定される。山田オリーブ園ではオリーブや柑橘類の栽培、加工、販売を行う。
著書 これならできるオリーブ栽培 ~有機栽培・自家搾油・直売~
(出版社コメント)
オリーブをうまく育てるには? 経営として成り立たせるには? ~栽培から自家搾油、販売まで著者の経験を詳しく解説!~
手間いらずで儲かる新品目として注目されるオリーブ。しかし、「木が枯れてしまった」「何年たっても実がならない」「オイルの搾り方がよくわからない」といった声も。
本書では、脱サラで新規就農し、日本で初めてオリーブ栽培の有機JASを取得した著者が、確実に実をならせるための栽培のコツや病害虫対策、小規模な自家搾油所の作り方と搾油方法、ネット通販などのノウハウを丁寧に解説。
とくに、日本のオリーブ栽培で最大の難関となるオリーブアナアキゾウムシ対策は必見。昆虫少年だった著者が観察と実験を繰り返して、明らかにしたその生態をもとに、農薬を使わなくても、効率よく確実に被害を防ぐ方法を紹介。
まだ木が小さく実の収量が少ない時期の貴重な収入源になるオリーブ茶の作り方や、苛性ソーダを使わない安全な実のアク抜き法、ワイン漬けなどのおいしい実の加工品の作り方も多数紹介。
これからオリーブを栽培したい人、すでに栽培している人にも、ぜひおすすめの一冊。
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【その他】
コンパニオンプランツについて大変参考になる記事、拝読しました、ありがとうございます。
私は淡路島で、仕事の傍、オリーブを40本程育てています。
私も赤クローバーやら、麦系の緑肥をまいて、共生できないか探っています、
始めて3年ほどで、山田さんほどの見識には至りませんが、もともとあった土の状態を改善し、
地元の有益な草が生えやすい環境は整えてくれる端緒にはなったかなとは思っています。
オリーブを育てるために、土を育て、土を育てるために、自分の考え方や認識の仕方を見直す作業や
圃場での発見が楽しいなと感じています。ありがとうございました。
城下様はじめまして。昨年、淡路島の他の方のオリーブ農園初めて訪ねる機会がありました。同じ瀬戸内海のオリーブ仲間としてこれからもよろしくお願いします!