山田オリーブ園 国内で初めてオリーブの有機栽培に成功しました。

2019年 ルッカ種における小粒果現象の発生について

ルッカの着果不全

受粉して1ヶ月、ここのところの雨のお陰で幼果が膨らみ始める。

 

ルッカの着果不全

しかし、今年はおかしな現象が見られる。実が膨らまない房が目立つ。着果不全。小粒果というのだろうか。

 

ルッカの着果不全

このあたりなんて、ほぼ全滅。全く実が膨らまない。

 

ネバディロなどで良く見かける不完全花が多めなのかと軽く考えていたけど、それにしても多い。そこでよくよく観察してみると3つのことが分かった。

 

1つめ。

不完全花というのは雌しべが形成されずに雄しべだけから花粉を飛ばす状態。この房を見ると小さな黄緑色の雌しべがしっかり付いているので不完全花でない。いわゆる小粒果という状態。

 

2つめ。

実が膨らまないのは、花単位ではなく房単位。雨や風などの気象状態によって受粉が不十分だったのだろうか?ちなみに今年の開花時期10日間のうち雨が降ったのは2日。例年とそれほど変わらない。

 

3つめ。

発生している品種に偏りがある。圧倒的に着果不全が多いのはルッカ種。ミッションやマンザニロ、ネバディロではほとんど見られない。小豆島4品種以外だとフラントイオはルッカほどではないけど多め。レッチーノで少し発生していて、アルベキーナは問題なし。つまり品種によって大きな差がある。

 

 

原因はよく分からないけど可能性として考えられるのは、冬から春に掛けての少雨、もしくは開花期の風雨。とりあえず長期的には畑単位にきちんと混植しておくことを意識することくらいしか対策は思いつかない。

 

とりあえず今年はルッカの収穫量は減りそう。

 

 

“2019年 ルッカ種における小粒果現象の発生について” への2件のフィードバック

  1. 2枚目の写真はショットベリー現象の様にみえます。(収穫時期でも小さいまま残る果実)イタリア系品種に多いような印象です。受粉時期の植物ホルモンによる影響かなと思ってます。葡萄とかだと開花後のジベレリン処理で抑えられるとか…
    また今年の気候だと特に若い樹は開花後の水分不足によるストレスで果実肥大が出来なかった様に思います。こちらも植物ホルモンの影響が大きいと思います。
    また今年については不完全花は少なかったと思います不完全花も一番の原因は開花前の水分不足によるストレスだと思います。日本は雨が多いのでオリーブも根の量が少ないのかもしれませんね。

    • ショットベリー現象というのがあるんですね。この記事を書いてから3ヶ月が経過していますが、どうもこの現象が多かったルッカ種は、その後も葉が巻いたりして樹勢も弱く今年はずっと調子悪いです。降雨によってバランスを崩すことが多いオリーブですが雨が多すぎて根が少なくなって少しの乾期にダメージを食らうという発想は確かになかったです。

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