「ゾウムシホイホイ」オリーブアナアキゾウムシ生態実験
ゾウムシを捕まえるトラップを何としても作りたいということで思いつき企画第2弾!
(ちなみに第一弾は「フェロモントラップ」オリーブアナアキゾウムシ生態実験)
ある日のこと、オリーブアナアキゾウムシの飼育箱に息子がクワガタ飼育用に買っていた樹液ゼリーを放り込んでみる。
半日後。
!
食ってる?
まさかオリーブの樹皮や実、葉しか食わないはず。珍しいものが入ってきたから見てるだけかな。
翌朝
!!
食ってる。
しかも皆で確実に食ってる。だってゼリー少し減ってるし。なんかオアシスに群がる象状態。
オリーブの樹皮、葉、実しか食べないと思い込んでいたオリーブアナアキゾウムシ。
クワガタ用の樹液ゼリーも食べることを発見。
オリーブアナアキゾウムシ雑食?
ゼリーの袋の裏を見ると、なんと!オリーブアナアキゾウムシが好んで食べるオリーブと同じモクセイ科のライラックのエキスが入っている、と書いてある。
ゾウムシが食べるはずである。ライラックのエキスに反応したのかゼリーの主成分トレハロースに反応したのか、これでは分からない。
分からないので、はっきりさせるために、ライラックゼリーとは別に、メロンの香りがするトレハロースゼリーも飼育箱に入れてみる。さあ、どうなる?
しかし、それはそれとしてライラックゼリーをオリーブアナアキゾウムシが好んで食べることは既に分かっている。ライラックゼリーを載せた市販のゴキブリホイホイをゾウムシの成虫がいそうなオリーブの根本に仕掛けてみた。この樹は幼虫のオガクズが確認されたばかりなので近くに成虫が潜んでいる可能性が高い。
ゴキブリホイホイではなく、ゾウムシホイホイの完成。 さあ、ライラックゼリーの香りに誘われて、ホイホイに入ってきたゾウムシがネバネバに捕まるがよい。 オリーブ有機栽培の新たな扉が開いたかもしれないし、気のせいかもしれない。
わくわくしながらゾウムシホイホイを見にいく。 残念。アリとコガネムシだけ。 ま、そんなにすぐに捕まる訳なし。もう少し様子を見る。 それと、オリーブアナアキゾウムシは、樹液ゼリー全般が好きなのか、ライラックゼリーだけが好きなのか実験。
ゾウムシたち、ライラックだけに群がる。 やはり樹液ゼリー全般を食べるのではなくライラックエキスが好きだということは分かった。 そうなると、ライラックゼリーを使って、いかにゾウムシを捕まえることができるか。ゾウムシホイホイ数日様子を見て、ダメなら何か違う手を考えるか。
ゾウムシホイホイ3日目。屋根が開いてライラックゼリーだけきれいになくなっていた。
屋根を開けて食べる何かが来たということ。
ゾウムシはそんなに大きくない。
鹿や猪の痕跡もなし。 多分、カラスでしょう。 カラスは賢いので、同じようにゾウムシホイホイを仕掛けると、また食べにくる。 思わぬところに強敵現る。 カラスに勝てるか? うーむ。なんかないかな。 帰宅して、ふとゾウムシの飼育箱を覗いてみる。 みんな交尾中。 ライラックゼリーでお腹一杯になって卵を産めるくらいに栄養を溜め込んだせいか一斉に交尾中。 ゾウムシって、とてもシンプル。
そして、とても重要なことに気付く。
ゾウムシが乗っている木はライラックゼリーの後に入れたオリーブの枝。その枝を齧っている跡がある。 そして、ライラックゼリーは食べていない。
ということは、ゾウムシはライラックゼリーよりも新鮮なオリーブの樹皮の方が好きなのだ。
ゾウムシホイホイでオリーブ畑にいる野生のゾウムシは捕まえられないだろうという新たな事実。
ちなみに畑でも、カラスに見つからないように枝の間に隠すように仕掛けたライラックゼリーがアリで群れて真っ黒になっていた。
ゾウムシが一番好きなオリーブの枝を餌にするという手もあるが、怪しい箱に入っている枝を食べなくても生きているオリーブ一杯生えてるし・・・。
いろんな理由でゾウムシホイホイダメだったみたい。 手詰まり。
オリーブの樹皮以上にゾウムシが好きなものが見つかるまで棚上げ。
オリーブの樹液は濃縮できませんか、ホイホイに塗る
成虫が好きな樹皮か新芽を煮詰めるかして集まるかですね。
妻にプレゼントしようと小豆島産オリーブオイルを探していて、山田様のオリーブ園にたどり着きました。私は高齢者ですが自然保護に関心があるので、記事を興味深く拝見、愛情をもって天敵オリーブアナアキゾウムシを研究しておいでの姿に魅かれました。山田様独特の語り口には人をはんなりさせる好ましい雰囲気があります。これからも貴HPを訪問させていただきます。
ありがとうございます。子どもの頃から虫が好きで、自分に合った仕事ができてありがたいことです。