「フェロモントラップ」オリーブアナアキゾウムシ生態実験
オリーブアナアキゾウムシのメスのフェロモンでオスを捕まえることができるのか?という実験をオリーブ畑でやってみる。
3日前に成虫を発見した木で今日もゾウムシを発見する。実は時間差で同じ木でゾウムシを発見することは度々ある。木がゾウムシを呼ぶのか?ゾウムシがゾウムシを呼ぶのか?
ゾウムシのメスがフェロモンでオスを呼んでいるということはないだろうか?
ということで、ゾウムシのメスのフェロモンでオスを呼べないか実験。
まずはゾウムシのメスを捕まえる必要がある。オスとメスの見分け方はお腹の模様を見る。お腹が真っ黒なのはメス、茶色の模様があるのがオス。しかし、この写真のようにはっきりしていない個体も多い。
その場合は交尾している最中のゾウムシを捕まえて、オスとメスを分けて飼育しておく。上に乗っているのがオス、下がメス。
虫かごにオリーブアナアキゾウムシのメスばかり5匹を投入。
オリーブ畑の真ん中に置く。ゾウムシのメスのフェロモンでオスを誘おうという作戦。
ゾウムシのオスは交尾することを何より優先している節がある。何よりといっても食べることと、じっと寝て隠れていること以外に何を優先しているのかまでは分からないが。畑に隠れているオスが全部、このトラップにやってくれば大成功。山からオスが大挙してやってきて畑中に散ったら大失敗。
さあ、どうなる。
ある意味リスキーすぎて笑えてくる。
ゾウムシのメスを5匹入れたフェロモントラップを仕掛けて1週間。これまでにオスがやってきた形跡なし。うーん残念。
メスのフェロモンは遠くまで届かないのか、 そもそもフェロモンを出してないのか、 フェロモンを出すのはオスなのか、 緑色の虫かごがあやしく見えるのか、 なんにせよ、うじゃうじゃやってくることはなかった。
トラップの設置は、まだ継続。
熱帯夜が明けた。このまま海に飛び込みたい気分。 そしてフェロモントラップを仕掛けて約10日。
毎朝の日課としてカゴの周りの中の虫をチェックしてみるとメス5匹とも死んでいた。
今回の実験で分かったこと。
- オリーブアナアキゾウムシのメスのフェロモンはあまり強くない、もしくは無い。
- オリーブアナアキゾウムシのメスは、真夏日の日なたに一日晒されると死んでしまう。
予想とは違ったけど、それでも重要なことが分かった。特に2番目の直射日光に弱いということ。
でも、実はうちの自宅のオリーブの木は畑のオリーブの3倍以上の割合でゾウムシがやってくる。うちは毎年数百匹のゾウムシを飼っているので人間には分からないゾウムシ臭がすごいのではないかと思っている。ゾウムシのメスによるフェロモントラップ実験、今回は失敗したけど、いつか新しい何かを思いついたら必ず再チャレンジするぞ。
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