山田オリーブ園 国内で初めてオリーブの有機栽培に成功しました。

農家になりたいひとが誤解していること

瀬戸内海に浮かぶ入道雲

梅雨空に浮かぶ入道雲くずれ。盛夏の雲ほどの威厳はなく西風に流されていく。午後から雨の予報も外れ日暮れ頃からひやりと冷たい風が吹いて雨が降ってきた。

 

昨日からYouTubeに続いて、このサイトで使っているWordPressなのかサーバーなのかが調子が悪くてブログまで不安定になっていて少々ビビっている。なんで、YouTubeとかブログが不安定になると困るかというところを少し書いてみる。

 

僕がやっている仕事と、従来の農協に集荷する農家の最大の違いは、自分が作ったものを自分でお客さんに直接売ること。畑仕事がしたくて農家になったのに、その畑仕事を続けていくためにそれ以外の仕事に多くの時間が取られている。多分、僕のような自分で作ったものを自分で加工販売する個人農家は、ほとんどの人が農家に抱いているイメージと違うかもしれない。

 

離島の人があまりいない畑で草を刈ったり、木の健康状態をチェックしたり、ゾウムシを捕まえたりしているだけでは、誰もそこでできたオリーブオイルの存在を知ることはない。なのでせっかく作っても買ってもらえないし、買ってもらえなければ、食っていくこともできない。ひたすら沢山木を育てて1粒でも多くの実を農協さんの出荷すれば畑仕事割合をたっぷり取れるし、販売は卸しや小売りに丸投げする方法もあるけど、そうすることができなかったし、しなかった。それができるほどの広さの畑を確保することができなかったし、丸投げすると農家の手元にお金は残らないのが分かったから。

 

個人の農家が自分で自分の育てたものを直接お客さんに買ってもらうためには、今の僕にはネット、ブログやYouTubeで知ってもらうしかない。

 

就農するときによくよく考えたほうがいいこと。自分で育てた農産物をどうやって売るか。自分で売るか、他人に売ってもらうか。

 

新規就農希望者と話しをすることがあるけど、有機か慣行か?何を栽培するか?どこで就農するか?とかを迷っていることが多いけど、僕の実感としては、そんなことは大した問題ではない。少々荒っぽいが農業だけで食っていきたいならそのあたりは好き嫌いや行き当たりばったりでいい。北海道でコメでも、岡山でモモでも、福岡でイチゴでも、宮崎でマンゴーでも実はそんなに違いはない、と言ったら怒られるかな。ちなみに僕も小豆島でオリーブは成り行きで他の何かと比較検討したことなんかない。なんならヘンなこだわりは少ないに越したことはない。

 

自分で売るか売らないか?の方がよっぽど求められる能力や仕事の内容が変わってくるというのが農家になって12年目の僕の実感。

 

ゾウムシに畑のオリーブ100本枯らされるのは悲しいけど、販売ためのYouTube動画が消えた方がダメージが大きいというが現実なのよ、とまだ引きずっている。

 

雨が降り出した。雷が鳴っている。

 

“農家になりたいひとが誤解していること” への1件のコメント

  1. お疲れ様です。心中御察しいたします。
    『止まない雨と、開けない夜は無い』
    明日も、ご安全に

半田茂富 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です