見られている気配
剪定をしている。正確に言うと剪定というか、日当たりが悪くなった畑での間伐と樹高が高くなりすぎた木の整枝。つまり剪定鋏を使って枝を1本1本切るみたいなことではなくノコギリや場合によってはチェーンソーでばっさり切るみたいなそういう剪定。
そういう作業を日がな一日しているのだが、ときおり何か視線を感じる瞬間がある。視線の元を辿ると鳥がいる。
ジョウビタキ。
じっとこっちを見てる。この地味なのはジョウビタキのメス。
オレンジの派手なのはジョウビタキのオス。
パタパタパタと派手な羽音と「ヒョヒョヒョヒョ」という鳴き声。そして何よりジョウビタキが他の野鳥と一線を画すのが人間への興味。オリーブ畑には色んな野鳥がやってくる。色んな野鳥はいるのだが人間を意識しているのは、このジョウビタキとカラス、たまにイソヒヨドリ。
ジョウビタキは、人間が畑で石を転がしたり草を抜いたり土を耕したりすると、そこから小さな昆虫や草花のタネが転がり出てくることを知っている。そして人間を見ているというより人間が動いたあたりに現れる餌を待っている。
大きめの石をひっくりかえして「ここにダンゴムシおるで」とかジョウビタキに話しかける。その言葉に反応している訳はないのだがジョウビタキが話しかけた後に首を傾げたりするとうれしくなって「こっちにももっとおるで」とか言って更にダンゴムシをゴソゴソと探すことになる。
ちなみに去年出版した本の表紙にもオリーブの樹上にジョウビタキを描いてもらった。畑にやってくる鳥の中で一番フレンドリーなジョウビタキ。
春になって鳥たちが山に帰るまでは話し相手になってもらう。
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