山田オリーブ園 国内で初めてオリーブの有機栽培に成功しました。

夏休みの悪夢

 まだ終わってないけど、それにしても今年の梅雨は雨が多かった。来る日も来る日も搾油所の窓から外を眺める日々。
 
 梅雨のむせ返るような雨を眺めていると、いつも思い出す。
 
 大学生の頃、梅雨の時期に岡山の吉備津彦神社の近くの農家で泊まり込みのアルバイトをしていた。大学が夏休みに入ったら山登りに行くための資金を貯めるため1日1万円食事付きの農家に泊まり込んでの井草刈りのアルバイト。
 
 雨の中カッパを着て、井草を鎌で刈り、雑草や短い丈の井草を払い、運ぶ農作業。おじいさんとおばあさんは無口で、指示をするにしても最低限の言葉とジェスチャーだけ。朝の4時から夕方の6時まで、ほぼ休みなく、雨に濡れ、見たこともない虫に体中を噛まれ、トイレで自分のお尻を拭く紙すら持てなくなった。
 
 約束の1週間が終わり、やっとこの地獄から下宿先に帰れると思ったらおばあさんが、全部終わってないからもう少し残ってくれと。何せお金がないので「1日1万1日1万」と呪文を唱えながら、結局10日間やり遂げる。
 
 10万円が入った封筒をもらいながら、おばあさんがぼそりと「いつも3日くらいで皆帰ったからあんた一番長かったな」と言われる。
 

 何もなくなった井草畑の農道を駅に向かっていると射してきた来た太陽の光と蝉の声。今でも昨日のように思い出せる。

 

 あの帰り道、農学部の学生だった僕は、農業の道に進むのは止めよう、と固く決めた。

 

 東京でネクタイを締めて何やらいい感じで仕事をしていたはずなのに何故か戻ってきてしまった。あんなに固く誓ったのに。雨に降られ虫に刺され寝ぼけながら畑をウロウロしている自分が不思議でならない。バカなのかもしれない。

 

 

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