昼下がりの搾油所
昼下がり。
轟音の搾油室から出てくると、柔らかい日差しが窓辺に射しこんでいる。
妻やアルバイトの人と一緒に日がな収穫をしていた頃が懐かしくもある。
今は、ひとりで搾油。収穫は親戚のUくん指揮のもとに10人のアルバイトさんにお願いして、妻には僕含めた皆のフォローとお客さんの対応をやってもらっている。
小さい個人農家も収穫の時期だけは役割分担しないと回らない。それは仕方ないこと。
さて今年の収穫も折り返し地点を過ぎた。オイルの質を少しでも上げるために今年は4つの試み。
実の水分を下げる
酸化を遅らせる
ペースト時間を完全にコントロールする
ペースト温度を下げる
1年考えて試してみた今年の挑戦も、数字とテイスティングで見えてきて結果は一勝三敗の負け越し。
まあ打率二割五分なら悪くもないか。
悪くもないけど良くもない。窓から落ちてくる秋の日差しを見ていると、やはりオリーブ畑が懐かしくなる。
搾油室から突然、けたたましいアラーム音が鳴り響く。搾り滓が一杯になると鳴るように後付けした水分検知センサーの音。
太陽の光から遠い搾油室に駆け足で戻る。
収穫そして搾油は続く。
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