ミツバチ全滅の原因を考える
ミツバチ全滅。
2か月前に農薬を散布された蜜源から戻ったミツバチが死に始める。
その後、壊れた巣がぽろぽろと壊れて落ちてくる部分もあったが残っているミツバチがいたので、被害は途中で止まったかと思っていた。しかし、蜂の尻尾が黒い雄蜂だけが残っていて女王蜂は逃亡したか死んでしまっていたのかも。
ミツバチの巣箱が置かれている周辺2kmにはオリーブ畑が広がっている。ほぼオリーブ畑と山と少しの民家。タイミング的にオリーブをゾウムシから守る農薬として使用されているネオニコチノイド系殺虫剤であるダントツ水和剤の可能性が最も高い(民家の庭やオリーブ畑で使用されるラウンドアップなどの除草剤の可能性もあるが)と思っている。ネオニコチノイド系の農薬の特徴は従来の有機リン系の農薬と違って虫の体内に残留する期間が長いこと。つまり有機リン系の農薬は虫をすぐに殺すが、ネオニコチノイドは虫をゆっくり殺すことで集団で暮らすハチやアリなどを巣ごと全滅させることができる非常に効率的な農薬。オリーブ農家にとっては便利な農薬だけど養蜂家にとっては頭の痛い問題だろう。
「植物体への浸透移行性があり残効が長い利点があり、殺虫剤の散布回数を減らせるため、世界各国において最も主流の殺虫剤として用いられて、1990年頃から使用が急増した。その後、世界各地でミツバチ大量死が多発し、膨大な研究が行われた結果、ネオニコチノイドが主原因と科学的に判明した。EUでは規制が進み、2018年、EUは登録ネオニコチノイド主要5種の内3種を原則使用禁止、フランスは主要5種全てを禁止した。一方、日本では農薬残留基準を大幅に緩和している。」
「アセチルコリンは、昆虫のみならず、ヒトでも神経伝達物質として自律神経系、神経筋接合部、中枢神経系において作用していることから、ネオニコチノイド系農薬のヒトの脳への影響、とりわけ胎児・小児など脆弱な発達中の脳への影響を懸念する意見もある。」
上記はウィキペディアから抜粋したネオニコチノイド農薬の2つの問題はミツバチが大量死することと人の神経系にダメージを与える可能性があること。
ネオニコチノイド: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
使用を規制し始めたヨーロッパと使用を緩和し促進し始めた日本。全く逆の方向に動いている。賛否両論あると思う。日本の農水省が大丈夫と言っているんだから日本人である私たちは気にしないと考えている人が多いことも分かっている。何より農家にとってはありがたい農薬。しかし、今回のようにミツバチが全滅してしまうオリーブ畑の近くで暮らす者として農家として、ネオニコチノイド系の農薬と有機リン系の2つの農薬は使わないと決めている。
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