ベルガモットハイボールの作り方
晩春のオリーブ畑にはオリーブ以外にもベルガモットなどの柑橘類やバラ、下草の小さな雑草たちの花々や咲き誇っている。そういった植物が元気になれば虫たちも沢山暮らし始める。
オリーブ農家は、そういった自然から果実という分け前を少しもらえるように、ただただ汗を掻く。こういう生活というか仕事をしていて分かることは、自然の生き物をコントロールすることなんて、ほとんどできないという事実。何をしても無駄ということではなくて、何かを働きかけることで、ほんの少し木や草、虫たちの在り方や距離感みたいなものを人間に近づけるという感覚。逆に自然の生き物たちと暮らすことで農家も自然の生き物であることを思い出す。
畑で汗を掻き、夕方ベランダで風に当たる。ウイスキーに漬け込んでいたベルガモットにキンキンに冷やした炭酸水を入れてベルガモットハイボールを飲むのが今頃の楽しみ。作り方は、ベルガモット果実1個をカットして、砂糖を大さじ2杯、ウイスキー角瓶700mLを加え数日寝かせておくだけ。分量なんて適当でいい。氷と炭酸水を注げば出来上がり。畑に生えてるミントか秋に漬けたオリーブの塩漬けなんかがあると尚よし。
日が昇る前に畑に立ち、虫を探し、草を抜いて汗を掻き、シャワーを浴び、風に当たりながら酒を飲み、晩御飯を食べて9時には寝る。畑の外の世界がにぎやかになっても、静かになっても、僕の日常はこういう毎日。
ベルガモットがなくなれば、夏みかんでもレモンでも柚子でも何でも旨い。大切なことは、果実が生る木を植えて汗を掻いて世話をすることただ1つ。
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