九州の有明海の前で生まれた。ムツゴロウが干潟で昼寝している真っ黒な泥の海。
夕焼けの頃だけは別世界のようにきれいだった。
瀬戸内海を初めて見たのは20歳の頃。なぜか真冬の直島でキャンプ。
今は大きな美術館やキャンプサイトがある浜も、その時は砂浜に枯れた草が揺れているだけだった。
瀬戸内海を訪れてから20年後、小豆島で暮らすことになる。
瀬戸内海の真ん中に屹立している島は海のお陰でおだやかな時間が流れている。
オリーブ畑と海だけを眺めながら後、何年この島に暮らせるだろう。
多分、死んでしまっても同じように海とオリーブを眺めているような気がする。
小豆島の南岸 内海湾のいつもの光景
半島の向こうから使徒が現れるときの朝焼け
春雷
ハマキガの越冬
夕凪 田ノ浦に灯がともる頃 畑仕事も終わり家路へ向かう 
早朝5時 波止場から幽霊船のように音もなく帆影が消えてゆく 
海に落ちる雪 音が消えた世界 小豆島 今は無き高速船乗り場 
何が網にかかっているのだろう 島影と海が入り混じる時刻 小豆島 内海湾 
春靄が海面に立つ 日が空ける 小豆島 内海湾 
対岸の田ノ浦半島から何か出てきたと思ったら帆船 小豆島 内海湾 
太刀魚がそろそろ釣れよる と おっさんが言っていた 小豆島 内海湾 
あそこに見えるのは四国なのかあの世なのか 小豆島 内海湾 
東京生まれの男の子と犬 まだ島に友だちがいないのでいつも二人 
何やら楽しそうに踊っている カラス 小豆島 清水 
オリーブビーチというしゃれた名前の誰もいない浜 実際に野生のオリーブが生えている 
夕焼けではなく朝焼け 見回りに朝寝坊して日が昇ってしまった 
海の深さと雲により多彩な青 年に数回だけの縞模様 小豆島 内海湾 
おじいさんとおばあさんを見送る 島の人は見送ってばかり 小豆島 
話しかけたくなるけど少し近づくとバサッと空に舞う 小豆島 
左右の山は小豆島 奥の山は四国 イノシシは泳いで渡れる距離 
草壁港の今は無き高速艇 かっこよかったな 再開はまだか 小豆島 
草刈りでクタクタな分だけビールが旨くなるの法則 小豆島 内海湾 
キスかなカレーかな 久しぶりに釣りでもしたいと思いつつ早10年 小豆島 内海湾 
小豆島 オリーブビーチ お盆を過ぎてひっそり静まったので行ってみる 
台風がやってくる 静かすぎて恐い 小豆島 内海湾 
いい加減にもう台風がやってくる 怖すぎる こうなりゃ早く来い 小豆島 オリーブ公園 
小学校へ向かう 小豆島 内海湾 
小学校へ向かう 学校に友だちができた頃 犬は逝ってしまう 小豆島 
ずっと海が見える暮らしをしている息子 海なんか見えたって全く意味ない 反抗期か 
キャーと言って波を被る遊び べとべとになって気持ち悪い 台風がやってきた小豆島 
長年島で暮らすと海を忘れる あまりにも日常になるため 小豆島
