2019年の小豆島におけるオリーブの冬枯れについて考えた
2019年1月頃に小豆島のうちの畑の一部で葉色が悪くなっている木が数本見られるようになった。
秋に沢山実をつけたオリーブの木は栄養を持っていかれることで、冬に樹勢が弱ることは普通に見られるので、あまり気にしていなかった。
しかし、1月末頃に更に葉が黄色くなってきたこと、実をあまりつけなかった木も弱っていること、畑の特定の場所に集中していることなどから、例年のオリーブの休眠状態による樹勢の衰えとは違うかも。
自分の畑の木は600本中4本のみが弱っていてサンプルが少ないので、周辺の畑を見回ってみると、やはり同じような症状の木が散見される。畑によっては大部分が弱ってしまっている畑があることがわかってきた。
例えばこの畑。ほとんどの木の葉が黄色く弱っている。こんなに弱っているのはここ10年で一番悪い。
クローズアップするのこんな感じ。葉が落ち始めている。
弱った木と比べるために、この写真はこの冬うちの畑で間伐したときの写真。オリーブは常緑樹なので基本的には冬の葉も緑色。
原因を自分なりに推測してみる。
可能性は、ざっとこれくらいだろうか?
- 病気
- 害虫
- 収穫負荷
- 低温
- 積雪
- 塩害
- 多雨
- 少雨
1.病気
炭疽病や梢枯病とは症状が違うし冬の病気ではない。新しい病気、がんしゅ病や立枯病とも症状が違うので、病気ではなさそう。
2.害虫
オリーブアナアキゾウムシやテッポウムシなどの被害の痕跡はチェックしたがナシ。
3.収穫負荷
この秋は島は裏年だったこともあって収穫は少な目。うちの畑の弱った木とそうでない木で収穫量の相関は見られない。
4.低温
今年は暖冬。暖かすぎる冬で、例年は2~3回はある最低気温が氷点下を下回る日がこれまでゼロ。
5.積雪
積雪が多かった年に雪が葉に積もったまま凍結し冷害が出た年が過去に1回だけあったが今年は積雪なし。
6.塩害
秋以降台風ナシ。しかも海沿いでの被害がある訳ではない。
7.多雨
雨は降っていない。元田んぼでのダメージが大きそうなので可能性はあるが、今年の秋冬は降雨量少ない。
どんどん消去して残ったのは最後の少雨。
今年の印象は雨が少ない。毎年、10月~11月の収穫のとき雨に降られて大変な目に合うが、今年はずっと晴れていて快適な収穫日和だった。
実際、雨は少なかったんだろうか?
過去10年間の小豆島の秋冬の降雨量をグラフにしてみた。
秋冬の年度別の累積降雨量。左の棒から10月、11月、12月、1月の累積降雨量。
例えば右から2番目、2017年度の1月末時点の秋冬累積降雨量は424ml。今年2018年は120mlと約4分の1くらい。
2010年~2012年や2016年など少雨の年でも200mlだから少ない年の約半分くらいの雨しか今年は降っていない。
断定は避けるけど、今年の秋冬の少雨によって小豆島の冬枯れが起こっているような気がする。
ちなみに元田んぼのオリーブ畑は多雨でも少雨でも被害が出やすい。
なぜなら鋤床層(粘土質の水を通さない層)が残っていることで、多雨の場合は水が溜まり根腐れが起こる。逆に粘土層があることで根は深く潜れず浅根になっているので、渇くと根が水を全く吸えなくなってしまう。
もし、今年の小豆島の冬枯れの原因が少雨によるものだとすれば、来年以降、同じように雨が100ml程度くらいしか降らないようなら冬も定期的に水をやるというのがシンプルな対策になる。
さて、今日は暦の上でも雨水。
朝からずっと暖かい雨が降っている。どんどん降っておくれよ。
枯れそうなオリーブも春になって、それなりに元気が戻ってくれるといいのだけど。
うちのかわいそうな4本には特別に春まで水やりしてやろう。
一番最初の写真はかなり前から生育不良ではないでしょうか?生育不良で苔が目につきます。原因は解りませんが根が枯れこんでいるように思います。
ご指摘の通り元々水はけが悪い元田んぼだった畑です。そのため根の張りが弱く枯れこみが特に顕著に現れていると推測しています。
田んぼですか根痛みしてそうですね。ちなみに冬季の土壌水分は想像以上に渇いてないと思います。通年で土壌水分計でpf値計測したことがありますが冬期はほとんど数値が動きませんでした。小雨の影響があるとすれば昨秋の収穫時期、樹勢回復出来てないのではと予想します。
今年の秋から冬は全国的にも少雨だったようですから他の地域でも同様の枯れが起きていないか知りたいですね。通りすがりのオリーブ好きさんの周辺ではいかがですか?