「ゾウムシは日本酒好き?」オリーブアナアキゾウムシ生態実験
オリーブの葉に色々付けてみてゾウムシが好きなもの、嫌いなものを比べてみる実験の結果
上から①何も無し②ニーム③コーヒー。
何も無しだけ食べて②ニーム③コーヒー溶液が付着している葉は食べなかった。
間違いはないか、もう1回実験。でも少し変えて、①日本酒②ニーム③コーヒー。さてどうなるか?
①の日本酒すごい勢いで食べている。よく見ると③コーヒー付着葉も食べてる最中。
ちなみに②ニームの葉も少し齧っている。少し齧っているから少し好きと見るか少し齧って不味かったからやめてしまったとみるべきかの結論は保留。
ということで、ここまでの実験で分かったこと。
オリーブアナアキゾウムシが好きな味、嫌いな味の順。
- 1番好きは日本酒。
- 普通に好きなストレートで味付け無し。
- 我慢すれば食べれるはコーヒー味。
- 我慢しても食べる気がしないはニーム味。
なんかゾウムシの好みと人間の僕の好みは似ている。
有機JASの畑でニームを忌避剤として使うことはできないけど、自宅の庭で育てているオリーブとかにだったらゾウムシが多い季節限定で樹にニーム溶液を噴霧すると、ある程度の忌避効果を期待することができそう。
ニームの種類や溶液の濃度など実用化するには更に調べていかないといけないけど可能性はある。
でも僕はニームの匂いが漂うオリーブ畑というのが、どうにも苦手かな。
日本酒の匂いが漂うオリーブ畑やコーヒーならいいのだけども。
【2018年9月3日追記】
今思えば、この実験が、僕が有機栽培農家になるターニングポイントになっていた。
この実験までは、オリーブを枯らしてしまう害虫なので敵としてゾウムシを観察していた。
敵を知り己を知れば百戦危うからず、的な向かい合い方。
しかし、この実験でゾウムシたちが日本酒が好きで苦いコーヒーは苦手というのを知ったとき、全く自分と一緒だという親近感がむくむくと湧いてしまう。
自分もゾウムシもオリーブに食わしてもらっている者同士みたいな連帯感が生まれた最初の瞬間だった。
オリーブを育て始めてゾウムシと出会ってから4年目のこと。
ここからは畑でも自宅でも、まさにゾウムシと寝食を供にするようになり、ゾウムシの生態を理解する以上のゾウムシの気持ちが分かるような気になっていったと思う。
ちなみに、この実験を境に捕ったゾウムシを殺すことができなくなってしまう。
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