小豆島に12年間暮らしてみて
今日は、寒すぎるので畑に行きたくなくてPCに向って仕事してるフリ。最近の雑感など。ちなみに、会社ではないので仕事しているフリをする必要などないのだが、自分の中にいる小さい自分への言い訳。これ流行っているのか知らんけど。
四国の対岸のゴルフ場に雪が積もっている。小豆島に雪はないけどマイナス2℃で西風も強くこの冬一番の寒さ。高松の学校に通う息子を池田港に送っていく前に、僕のマフラーを渡そうとするが受け取らない。マフラーはみんなしていないのでいらないらしい。マフラーあるとないのとでは全く違うのにと思うが親の心子知らずとはこのこと。まあ僕も親の言うこと聞いた覚えがないのでそんなものだろうと思いなおす。
そういえば今日で小豆島に来てから13年目に突入していた。保育園に通っていた息子が、高校生になるくらいの時間。色々あったような気もするけど、何もなかったような気もする。そんなことより、これからどれくらい元気に暮らせるのか10年、20年さてどうしようということの方が気になる。逆に言うとこれまでは、迷えるほどの余裕がなかっただけなのかもしれない。
漠然と迷っていても仕方がないので昨日は12年間がんばってくれている赤い軽トラを車検に出し、同じくらい酷使しているであろう自分も人間ドックを受診してくる。小豆島には小豆島中央病院という合併して新しくできた大きめの病院があるけど、去年から民間の小さめの牟礼病院ということころで人間ドックを受診することにしている。中央病院はいつも予約が一杯ということもあるが、それ以上に中央病院の胃カメラが恐ろしいというのが理由。今は違う先生かもしれないけど、中央病院で内視鏡検査をしたところ、あまりにも痛くて苦しかったので病院を変えることにした。牟礼病院ではそんなこともなくスムーズにできたのでやっている担当者によって個人差が大きいのかもしれない。
病院という地域のインフラ関連で思い出したが、移住してきて長くなるとこれから移住してみようという人から相談されることがある。話しを聞くと、移住先を選ぶときに何を重視するかという優先順位で、離島や田舎暮らしに憧れている人の特性かもしれないが、豊かな自然的なことと、温かい人間関係もしくは濃すぎる村社会的なことを気にしている人が多い。
小豆島は島なので海に囲まれているから海が見える場所は沢山ある、しかも寒霞渓という新緑や紅葉がきれいな山が真ん中にある。なので自然は一杯というか自然しかない場所のちょっとした平らなところに人は住んでいるのだが、人間は自然の中では暮らせない。海の上でも暮らせないし山の中でも暮らせない。電気、水道、舗装された道路に面した家、雨が降っても雨漏りせず、冬は寒さを凌げて、夏は太陽から身を守ってくれる頑丈な家を探すのが、自然豊かな土地を満喫するためには何より大切になると思う。小豆島も普通に冬は寒いし夏は暑い。白アリに食われて隙間風が吹き込む古民家暮らしは心身を消耗させる。都会暮らしの人が想像している以上に本物の自然は過酷で人も人が作った物も浸食してしまう。壊れかけたあばら屋を古民家と呼ぶのはいかがなものだろう。
ちなみに人間関係なんかも期待しない方がいいし、もしくは心配する必要もない。移住者側から話しかけない限りほとんど誰もおせっかいなんか焼かないし、笑顔で挨拶すればそれなりに返してくれる。都会と同じようにいい人も悪い人もいて、同じ人でも機嫌がいいときも悪いときもあるし、そもそも人なので相性もある。なので都会と同じように誰かと仲良くもなれるし孤独にもなれる。変わらない。移住者自身がどうしたいかと人となりに左右される。
では移住を体験してみて、自然や人間関係ではない何が重要だったろうか。先ほどのちゃんとした家以外にまずは仕事。貯金があって仕事しなくていいなら何らかの趣味でもいい。それと食べ物を買いに行ったり、病院や学校に通うための足、自動車があればベターだけど、なければバス停が近いなどのある程度便利な立地に家があること。つまり、そういう毎日の暮らしで必要な衣食住を整えることこそ重要だと思う。それ以外はオマケ。オマケで人は生きれない、というか日常生活が最低限整わないと、のんびり海を眺めたり、森の小道を散歩する心持ちになりにくい。
ちなみに僕は、農業の仕事と住んでいる家と暮らしの便利さで今の小豆島が気に入っている。しかし、自分が気に入っていても、オリーブ農家という仕事を取り巻く環境は変化していくし、島全体の人口減少は進み衣食住の利便性は悪化するだろうし、家族ですら年齢を重ねて変化していく。これまで変わってきたようにこれからも変わっていく。
迷いながら少し不安、それでも楽しい。12年島に暮らしてみてのとりとめのない感想を書いてみた。
去年そういえば移住のYouTube撮ってました。同じようなことを言ってるだけですが。YouTubeけっこうしんどくて辞めてますがもう一度やってみるかどうか思案中。
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