山田オリーブ園 国内で初めてオリーブの有機栽培に成功しました。

ドローンでの農薬散布という流れ

アマガエル 

 朝ほんの少し気温が下がる。不思議とそれだけで空気に秋の何かが交ったような気がする不思議。太陽が昇れば完全に酷暑。

 

 それと昨日は9回目の有機JASの現地調査日。

 

 この検査、毎回、違和感があって慣れることがない。有機栽培自体は気に入っているのだが有機栽培農家のやる気を少しずつ削ぐような文書主義、前例主義が実にうまく機能していて、日本では、有機JASの制度はあるけど有機JASの農家が勝手に増えないような作りなっているような気がしてならない。

 

 少し前の数字だけど、国内の有機栽培の畑の面積はたったの0.2%、例えばオリーブの本場イタリアでは約9%と50倍近い開き。近隣の中国や韓国にも負けている。

 

 ちなみに香川県には、ほとんど有機栽培農家が存在しないので、隣県の愛媛県からわざわざ調査に来てもらっている。愛媛県の検査団体には感謝しかない。香川県情けないけど、既にもう香川には期待していないので特に何とも思わない。

 

 少し話しは変わるが、先日農家仲間と話題になったドローンによる空中散布のこと。

 

 日本の農業で最近の流行りはこのドローンによる空中農薬散布。日本人はこんなの本当に大好き。空からばっさーと農薬ばらまくことで、害虫の駆除や病気の予防があっという間にできちゃう。地べたを這いずり回って雑草や害虫を捕ろうなんて泥臭い農業何て誰もやりたがらない。農家の担い手が減る一方なので、これからの日本の農業は楽でスマートがキーワード、という流れができている。都会からやってくる頭でっかちの新規就農者の中には、泥臭いことやってみたいという人もいない訳ではないけど、実際やってみると、ほとんどの人は食えなくて有機農業もしくは農業自体をやめてしまう。

 

 ちなみに、ドローンによる空中散布を、同じ地域でやられると有機認証一発で取り消される。ドローン飛ばしたい農家からすると、有機栽培なんて甘っちょろいことを言っている邪魔モノは迷惑な存在以外の何者でもないというのも分からなくもないけど。でも、小豆島でもこのドローンやってみようという動きが始まっていて、多分、何の相談もなくやられてしまう可能性はある。そのときにどのように自分の畑を守るのか、諦めるのか準備だけはしておかないといけない。

 

 日本における有機栽培というのは、変わり者が勝手にがんばっているというのが実際の現状。手間ばかり掛かるけど収量見込めない有機なんて農家はやりたくないし、とりあえず質よりも国産の自給率を上げることを優先している農水省も海外の先進国から言われるから渋々やっているという本音が見え隠れする。

 

 そんなこんなで、前途多難な有機JAS制度だけど、やめる気はない。最近では補助金なども少しずつ出るようなったし、何より有機の農産物を求めている人たちが少ししかいないけど、確実にいることはやっていてヒシヒシと感じている。何より減り続けている昆虫を見境なく皆殺しにしていく農薬漬けの農業は野蛮だと思っている変わり者だから。

 

 

 現地調査で指導を受けた項目の改善内容を文書化したら、有機関連の仕事はいったん終わって、次は週末の高島市での講習会の資料作り。

 

 

農水省のHP;無人航空機(無人ヘリコプター等)による農薬等の空中散布に関する情報

 

 

暑さのせいだろうか、いつも以上に攻撃的な気分になってしまっているけど、実際はそんなに腹も立っていないし、あきらめてもいない。

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