飼育箱にやってきたオリーブアナアキゾウムシを見て考える
写真の真ん中、鼻を突きだしているオリーブアナアキゾウムシ。飼育箱として使っている虫かごの中には今年捕獲したオリーブアナアキゾウムシが100匹くらい入っている。
毎年、ベランダに置いた飼育箱には、どこからかゾウムシが5、6匹くらいやってくる。
外からはただの虫かごなので、中からフェロモン的な匂いがしていて、それにつられてやってくるんだろうと思う。
ということはゾウムシの多分メスはオスを惹きつける何らかの匂いを出している可能性があるんだけど、1年にたったの5匹くらいという少なさが気になる。
メス50匹のフェロモンに、たったそんだけ。
ちなみに、この飼育箱から5mくらいのところに植わっているオリーブには1年で30匹くらいゾウムシがやってくる。これは、うちの600本の畑のオリーブで一番多い木でも10匹くらいなので、その3倍もやってくるということになる。
つまり、あくまでも仮説だけど、オリーブアナアキゾウムシのオスはメスのフェロモンが漂うオリーブの木に寄ってくるのではないかということ。
フェロモンだけではダメ。オリーブだけでもダメ。
フェロモン+オリーブの組み合わせにゾウムシは吸い寄せられえるのではないか、と考えられなくもない。
ゾウムシのオスの気持ちがもっともっと知りたい。
とても興味深い仮説です。
オリーブアナアキゾウムシの
性フェロモンが同定されていないなら
こちらのゾウムシさんと同じような習性があるかもしれません。。
オスは、接触したゾウムシがオスでもメスでも、求愛行動をとるようですが、メスの体表の物質を認識することで交尾行動に移るようです。
http://www.u-ryukyu.ac.jp/news/3089/
オリーブアナアキゾウムシでも
オス同士で求愛行動したりしてw
性フェロモンでないとするなら、オリーブにたどり着いたときに集合フェロモン放出しているかもしれません。
参考になれば幸いです。
目からウロコです!ずっと、謎だったことの答えがこれかもしれないと思いました。
ちなみにオリーブアナアキゾウムシのオスも雄雌関係なく求愛行動、背中に乗っていきます。
この論文で明らかになっていること2つが完全にオリーブアナアキゾウムシの行動と合致します。
1つは、上記の雌雄関係なく求愛行動を取るので性フェロモンは出ていないであろうこと。
もう1つはガラス玉実験と同じで、ある日、ゾウムシを捕獲した木に、数日後に違うゾウムシがいることが度々起こります。
ゾウムシいないのに、いたことがあっただけなのに、なぜやってくるんだろうとずっと不思議でした。
集合フェロモンがオリーブの樹皮に付着して一定期間、残留している可能性があります。
いやすごい!これ記事にさせていただきます。
Tさん、ありがとうございました!
どういたしまして!
集合フェロモン説が濃厚ですね。
追加情報です。
オリーブアナアキゾウムシとヤシゾウムシの食害がよく似ているんですよ。ともに木を食べます。
一方で、ヤシゾウムシは集合フェロモンが同定されています。
ヤシ油の揮発成分と混ぜると集合度が増すようです。
オリーブアナアキゾウムシもおそらく同じ習性を持つのでしょう。
一般的に、揮発性成分は
傷口や食害があるときに、正常の葉や傷口から多めに放出されると思います。(傷がなくても一定量はでていると思います)
これがオリーブ側の要因かもしれません。
従って、
樹皮を食べている幼虫、あるいは、葉っぱを食べているゾウムシ以外の虫たちも食害を通じて、
ゾウムシを手引きしているかもしれません。
集合フェロモンといえばヤシゾウムシの研究が進んでいるみたいですね。あとはキクイムシ。
オリーブに傷が入ったときに、成分がより多く出るのはそうだと思います。
参考になりました。もう少し調べてみます。ありがとうございます!