「ゾウムシは飛ぶか?」オリーブアナアキゾウムシ生態観察
オリーブ栽培を始めた頃、島の人に「ゾウムシは飛びますか?」という質問をよくしていた。
ゾウムシからオリーブを守るためには、そのゾウムシが歩いてくるのか飛んでくるのかが知りたかった。
基本は歩くだが、飛ぶこともあるという人と、飛ばないという人がいた。
様々な文献を調べてみると昔は飛ばないとされていたが60年代頃から「もっぱら歩行によって移動するが稀に飛翔する」という結論に落ち着いたらしいことが分かった。
という経緯があったのでゾウムシを飼育したら何が何でも自分の目で飛ぶのを見てみたいと思っていた。
ゾウムシは夜行性なので夜、部屋を暗くして、外気の臭いがするように窓を開けて、飛び立ちやすい棒を飼育箱に入れてみた。
結構、素早い身のこなしで箱の中を動き回るが、なかなか飛び立とうとはしない。
1時間半ほど経った頃、堅い前羽を少しだけ開いた個体が現る。
外の空気を触覚で探っていると思ったら突然柔らかい後ろ羽をさっと広げて飛び立った。
慌ててシャッターを押すがピンボケ。あわわわわ。
暗いとカメラのピントが合わないので少し明るくして更に30分待っていると、飛び立ち台の先に立って、前羽をもじもじとする個体あり。
今度こそ!うーん微妙だが今日はここまで。
ということでオリーブアナアキゾウムシは飛ぶぞ、と今後は断言することにする。何しろ自分の目で見たから。
(2018年9月4日追記)
この観察結果は現在に至るゾウムシの捕獲方法に最も大きな影響を与えている。
ここで分かったことはゾウムシは飛ぶということ。
そして夜行性であるということ。
この2つの生態を知る前と後とでは、どうやってゾウムシからオリーブを守るかという手法が全く変わる。
多くの木をゾウムシから効率的に守らなくてはいけない農家にとって、この生態を理解していることは非常に重要である。
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