山田オリーブ園|日本初の有機オリーブ栽培家 山田典章(やまだのりあき) 国内で初めてオリーブの有機栽培に成功しました。

日本の冬の寒さに強いオリーブの2つの品種

オリーブ農家になって17年。

 

色んな品種を小豆島で育ててみて、冬の寒さに強い品種があることが分かってきた。

 

この5,6年のことだが、国内でもオリーブを栽培するエリアが広がっている。

関西の降雪地帯、関東もしくはそれより北、山間部まで広がってきていてそういった産地の農家さんから耐寒対策について聞かれることが増えてきた。

 

小豆島は、海に囲まれた瀬戸内海の真ん中にある島なので冬でも氷点下になることは数回。

なので、耐寒性について考えてこなかったし、考える必要がなかったので、何も答えることはできなかったのだが、それでもある2つの品種について分かってきたことを書いてみる。

 

2つの品種というのはアルベキーナとレッチーノのこと。

 

ちなみに小豆島の主要な品種であるミッションは耐寒性に優れていると言われている。

実際、うちの畑でミッションが寒さによって弱ることはあっても枯れることはこれまで1回もない。

 

ある程度耐寒性はあるとは思うが、僕のもう一つの農場、小豆島より冬は2度ほど気温が低い香川県三豊市では、あきらかに小豆島より葉色が落ちるので、どの程度の寒さまで耐えれるのかは実際のところ分からない。

 

しかし、アルベキーナとレッチーノはミッションより寒さに強いというのが分かってきた。

そしてその寒さへの適応の仕方が2つの品種では全く違うのが面白い。

 

 

まずアルベキーナ。

2025年4月アルベキーナの落葉
2025年4月アルベキーナ落葉の状態

スペイン系のアルベキーナ。今では世界中で栽培されている。 毎年、安定的に実を付け、木が小さいので収穫しやすく、剪定の手間が少ない品種。

 

2025年の冬、10年ほど育てた成木に異変が起きた。寒さで葉が8割ほど落ち、春先には枝だけの状態になってしまい下手したら枯れるかと思ったが、違った。4月から5月にかけて一気に新芽が吹き返し、花の時期には元の姿に戻り、その年の収穫量も例年通り、それ以上だった。

 

アルベキーナは寒さに多分、弱いわけではない。 寒さが厳しい時は、自ら葉を落としてエネルギーの消耗を防ぎ、春を待つ。そういう強さを持っている。つまり、一定の気温より下がると落葉樹のように葉を落とし、木のエネルギーを温存し、温かくなったら一気に復活する。

 

そしてレッチーノ。

冬のレッチーノ
2026年2月のレッチーノ

アルベキーナと同じ畑、同じ条件で育てているレッチーノはオイルが特に美味しい品種。

 

イタリア原産のレッチーノ。 一般的に「ミッション」が寒さに強いと言われるが、私の畑で見る限り、レッチーノの方が断然強い。

 

他の品種が寒さで葉色を悪くしたり、アルベキーナが落葉したりしている冬でも、レッチーノは青々としている。それどころか、冬の最中に新芽を動かしていることさえある。

 

ただ、この強さは木の成長スピードにも直結する。 とにかく大きくなる。横にも広がる。うっかりするとすぐに6mを越えてくる。

 

毎年の剪定は重労働になるし、手摘みなので脚立に乗っての収穫の効率は極めて悪い。

印象的には繊細で病弱なミッションと違ってジャイアンみたいな乱暴な木だ。でもオイルはピカイチ。

 

もし、寒い地域に庭木として植えるならレッチーノかな。なぜなら冬も葉色が濃く見栄えがいいし、木が大きいから夏には木陰もできる。でも大きくなりすぎるので定期的にばっさり剪定しなくてはいけない。

 

僕が寒い地域でオリーブ農家になるならミッションを植えるくらいなら、レッチーノとアルベキーナ両方試してみる。

 

栽培管理の難易度や剪定などの手間、実の量、オリーブオイルの特徴など、寒さへの耐性以外にも考慮しないといけないので、そう簡単にはいかないが、保険として2つの品種は植えると思う。

 

ps.

ちなみに、耐寒性が高いというふれこみで苗木が売られている「ひなかぜ」という品種について聞かれることがあるが、栽培していないので分からない。農家は成長スピードや木が大きいことは必ずしもプラスではない。何より収穫量と果実の質によって、観賞樹以外でも使えるかは今後見えてくる。

 

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