みかん山のこと
何の変哲もない荒れ地のように見えるけど、僕はみかん山と呼んでいる。西城のオリーブ畑から歩いて2分くらいだけど随分久しぶりにきた。ここは先日、急逝した義兄の畑で、昔は確かに数本のミカンの木が植わっていた。
このみかん山に始めて来たのは2007年の4月。まだ東京でサラリーマンをしていて、長期休暇を取って家族で嫁さんの実家がある小豆島に来ていたときのこと。退屈していた僕を見て義兄が荒れた畑を少しでもきれいにしてくれたらいいとくれた仕事。
朝、ここに来て草を刈って竹を切っては積み上げていた。竹を切って見るものもないので雲を見上げたり。ひとりで誰とも喋らずそんなことをして1週間くらいした頃に突然思いつく。
東京に帰らないでここで竹を切って暮らせたらいいな。
すっかり忘れていたが、ここは15年後の今が始まった場所だった。
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