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■ 2022年春、畑の現状
2022年、経営を引き継ぐために初めてその畑を訪れました。オリーブ畑と聞いていましたが、目の前に広がっていたのは、背丈ほどもあるセイタカアワダチソウやペンペン草。一見すると、ただの野原でした。草をかき分けて中に入ると、植え付けから5年が経過しているはずの木は、本来の大きさには程遠く、小さく痩せていました。葉は落ち、全体の3分の1は今にも枯れそうな状態。手入れがあまりされておらず、荒れてしまった耕作放棄地。それがスタートラインでした。


■ なぜ、木は育たないのか
木が弱ってしまった原因は何か。4年間の観察と土壌検査の結果、いくつかの複合的な要因が見えてきました。
【栄養不足】
元々はお茶畑だったこの場所は、極端に栄養分が少ないことが分かりました。また、オリーブは中性~弱アルカリ性を好みますが、ここの土壌はpH5〜6という強い酸性。肥料もほとんど入っていなかったため、木々は慢性的な栄養不足にありました。
【乾きすぎる土壌】
元々が山土の傾斜地であるため、水はけが良すぎました。水分も栄養分も、すべて素通りして流れていってしまう状態です。
【害虫と病気】
草が生い茂ることで「コウモリガ」の幼虫が発生し、幹を食い破っていました。また、土壌環境の悪さからか、突然枯れ上がる木も後を絶ちません。当初1,000本近くあった木は、これまでの数年間で半数近くまで減ってしまいました。

■ 3倍の広さを、一人で管理する
現在、小豆島の1haに加え、三豊の3ha、合計4ha(約4倍)の畑を一人で管理しています。作業の9割は「草刈り」です。三豊の畑は木が小さく日陰ができないため、雑草の勢いが止まりません。5つのエリアに分けた畑の草を刈り、最後のエリアが終わる頃には、最初のエリアがもう元通りになっている。その繰り返しです。オリーブを育てているのか、草を刈っているのか分からない。それが今の実感です。
「なぜ、人を雇わないのか」
まずは3年間、自分でやらないと分からないから。畑の状態、土の感触、草の生え方。それらは、毎日自分で足を運び、作業をした人間にしか見えてきません。表面だけをなぞって指示を出すだけでは、この畑に必要なことは分からない。まずは一人でとことん畑と向き合うことから始めました。

■ 再生の兆し
引き継いでから丸4年。ひたすら草を刈り、冬には牛糞堆肥を土に混ぜ込み、土壌改良を続けてきました。いまだに収穫はほとんどできていません。しかし、諦めずに手をかけ続けたことで、5つある畑のうち2つのエリアで、木々が少しずつ新芽を出し始めました。枯れてしまった場所には、病気に強い品種「香オリ5号」への植え替えも進めています。
できれば今年、無理でも来年には、実がなり、収穫したい。今はただ、その一心で三豊の土と向き合っています。
■ この再生プロジェクトを、共に支えてくれる方へ
現在、この三豊の畑では、私の挑戦を現場で支えてくださる同志を募集しています。手厚いおもてなしや、交流は提供できません。しかし、「本物の農業の現場」と「誰にも邪魔されず土と向き合える時間」は用意してあります。
【援農スタッフ(通年ボランティア)】
「お客様」扱いはしません。干渉もしません。組織やしがらみから離れ、自分のペースで黙々と作業に没頭したい方。耕作放棄地がゼロから蘇る泥臭い過程を、共に味わってみませんか。
【秋の収穫アルバイト(有償・短期)】
何年もかけて土壌を改良し、ようやく実をつけたオリーブを収穫する。その一番の喜びの瞬間を分かち合う、秋の短期アルバイトです。
農業の経験は問いません。「面白そうだな」「ちょっと手伝ってみようかな」と少しでも心が動いた方は、ぜひ詳しい募集要項をご覧ください。お待ちしています。